リオデジャネイロオリンピックは、本日未明、閉会式を迎えました。多くの感動のシーンやドラマがありました。さて、ここでは、トップ10位内の国々の獲得メダル数とその国の人口を比較することで、その国の国力について、考えてみたいと思います。

メダル数ランキングと人口比較

まずは、1位の米国ですが、金メダルも多いけれど、全体のメダル獲得数もダントツです。人口も3億人を超えており、非常にバランスがとれていることがわかります。

2位のイギリスですが、前回のロンドンオリンピックの影響は衰えず、金メダル獲得数も多いです。人口は6,300万人と、ドイツ以外の他の主なヨーロッパ勢と人口がほぼ同じにも関わらず、このメダル獲得数は、特別なトレーニングや運動強化のシステムが出来上がっているものと思われます。何と言っても、アメージングな(驚きの)結果です。

3位の中国は、やはり圧倒的な人口の多さが、メダル獲得に貢献しています。ただし、潜在的なスポーツ人口は、まだ潤沢にあり、今後とも、大量メダル獲得を狙ってくるものと思います。

リオオリンピック 国別メダル獲得数

ロシアは、まさに腐っても鯛です。ドーピング問題で、出場できなかった選手も多かったでしょうが、それでも、4位の地位を確保したことは、さすがです。ただ、国を挙げてのドーピング撲滅に動かなくては、今回と同じような問題は今後も起きるものと思われます。

ドイツは、欧州各国の人口が、平均6,000万人の中で、唯一、8,000万人台にあり、この人口の違いが、結果にでていると思います。ただし、イギリスには負けたことには、今後の課題になるものと思います。

この次は、日本ですが、最後にまとめて、お話しします。

次が、フランスですが、結構頑張ったとはいえ、順位的には、常連の位置と言えます。そして、韓国ですが、最近としては、低調でした。(ロンドン大会 金13、全体28)。ただ、粘り強い国民性だけに、次の東京大会では、日本にとっては脅威の存在になるものと思います。

9番目は、イタリアで、フランスとともに、常連的な位置をつけています。やはり、欧州勢は、無視できない存在です。10位は、オーストラリアですが、一時メダル総数で50個前後を獲得していました。人口が、わずか2,300万人にしかいない国にも関わらず、スポーツ王国でしたが、今回奮わなかったのは、景気との関係もあるのではないかと思います。

世界における日本の位置づけについて

まず、番組報道ですが、メダル獲得数も、日本に限られて報道されていて、世界における日本の位置づけがどこにあるのかがはっきりしませんでした。

そして、メディアはメダル獲得数が過去最多と騒ぎ立てていましたが、それは、日本に限られた話。金メダルでは6位ですが、メダル総数では7位です。

日本を盛り立てたいという気持ちもわからないではないですが、やはり、世界の中での位置づけについては、もっと客観的に伝えなくては、視聴者も満足するだけで、問題意識も持たないままで、4年後の東京オリンピックを迎えることになると思います。

イギリスと同じような結果を出せるか

今回のイギリスを見て、4年後の東京オリンピックを考えました。まず、イギリスの人口は、日本の半分です。それにも関わらず、イギリスは、4年前のロンドンオリンピックで、金29個、全体65個で、金の獲得数が第3位でした。そして、リオでは、金27個、全体で67個、金の獲得数が第2位でした。

今回日本は、金12個、全体で41個、金の獲得数が6位でした。つまり、4年後、更に8年後、日本は、イギリスと同じような結果を出すことができるのでしょうか。

先程の、報道の在り方にもつながりますが、内向きになりやすい日本人の目を外にも向けるようにして、世界レベルとして、日本人、あるいは選手は何をやるべきかを考えるときが必要だと思います。

そういう意味からも、東京オリンピックは、交流を通じて、世界を知る意味で、大事だと思います。

執筆者プロフィール : 水上 紀行(みずかみ のりゆき)

バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀に於いて為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。なお、長年FXに携わって得た経験と知識をもとにした初の著書『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』が2016年1月21日に発売される。詳しくはこちら