些細なことではあるかもしれませんが、後で大きな意味を持つことになるかもしれないことです。
期間120の移動平均線は。あまり馴染みがないかもしれませんが、米系ファンドも大変重要視している移動平均線です。
さて、ドル/円の120カ月移動平均線は、今月103.36近辺にあります。
そして、今月の寄り付きとなる1月4日月曜日日本時間9時の東京オープンが103.25と、120カ月移動平均線を下回って、今月が始まっています。
因みに、多くのFX会社がこの日営業を開始したのが午前7時で、この時の水準が103.06近辺で、やはり120カ月移動平均線を下回っていました。
このことは、テクニカル的には、大変重要です。
なぜなら、2013年11月の月足が、120カ月移動平均線を実体(ロウソク足の寄り付きと引けの間の太い部分)で上抜いて以来12年2カ月を経て、初めて寄り付きが120カ月移動平均線を下回ったからです。
つまり、過去12年2カ月間、ドル/円をサポートしていた120カ月移動平均線を、今月、下にブレイクして寄り付いたということです。
しかも、複数の移動平均線が収束することは、近い将来、相場が大きく動くことを示唆する相場の習性があります。
今回の場合、5カ月移動平均線と200カ月移動平均線、そして120カ月移動平均線が収束しており、近い将来、相場が大きく動き出す可能性が出てきています。
さらに、来月には。5カ月移動平均線と200カ月移動平均線はデッドクロスして売りサインを出す可能性が高いと言えます。
もちろん、100円は、大変強い心理的抵抗線です。
そのことは、ドル/円の年足チャートでも、わかります。
2013年に100円を年足の実体で上抜いて以来現在まで、100円はサポートになっています。
しかし、今月、120カ月移動平均線を寄り付き段階で下回ったということは、はるか80円方向に向けて視界が開けたと見ています。
しかも、月足チャートを眺めてみますと、将来がどんなチャートになるのが素直かと言えば、やはり急角度の下げではないかと思います。
過去4年間、17円という限られた値幅の中にいただけに、大相場にはマーケット全体が慣れていませんので、くれぐれも油断しないことが大事だと思います。
ドル/円は、いつ動き出すかわかりません。
ユーロ/ドルなど円以外の通貨の対ドルやそれに派生するクロス円は、動きも活発で、ある意味、油断している暇がないとも言えます。
一方、ドル/円は、非常にねっちりとした動きとなることが多いため、ともすると油断しがちです。
また、上には輸出企業の売りオーダー、下には輸入企業の買いオーダーにも挟まれているため、レンジブレイクでのエントリーには、一般的に向かない通貨ペアでもあります。
そのため、マーケット参加者の関心も、ユーロ/ドルなどやクロス円に向いてしまうことは、ある意味仕方のないことだと思っています。
しかし、ドル/円は、突如として大きく一方向に動き出すことがあり、いったん動き出すと止まらない性格を隠し持っている通貨ペアでもあります。
ドル/円には、マーケットも油断しがちになっているため、ひとたび大きく動き出すと乗り遅くれることとなり、よくあるケースとしては、上げ止まったところで押し目買い、下げ止まったところで戻り売りを、マーケット参加者はしようとします。
しかし、ドル/円の一方向の動きは、短命なことが多く、押し目買い、戻り売りによって、持ち値の悪いロングなり、ショートなりが出来てしまい、その後、相場が反転するきっかけとなることが多いと言えます。
したがい、ドル/円の動きはクロス円はじめ他の通貨ペアへも影響しますので、ドル/円を完全に無視するのではなく、日頃から定期的に見て、変化の有無には注意しておく必要があります。