長期的にドル安を見ていますが、どの通貨がドル安をリードするか考えてみました。
まず、ドルの総合的な強弱を示すドル・インデックスの月足を見てみましょう。
現在、92.00のサポートを割り込んできています。
ここから上がるには、相当な力が要りそうな形状をしています。
それに対して、92.00のサポートがしっかりと割れれば、88.00までは割と簡単に下がりそうです。
そして、強いサポート88.00を割れたら、80.00近辺まで引っかかりがありません。
つまり、ドル安が大きく進行するかもしれない大変な局面に、今ドルはいると見ています。
そして、そのドル安をけん引する通貨ペアがどれになるかを見出し、そのリード役の通貨ペアでトレードするかどうかで、トレードの成績は大きく異なってきます。
そこで、私が考える相場のけん引役となる通貨ペアは、単刀直入に申し上げますと、ポンド/ドルではないかと見ています。
確かに、ユーロ/ドルも堅調ですが、実はポンドがそれ以上に堅調になる可能性があるのではないかと見ています。
ひとつには、ユーロ/ポンドが下落(ポンド買い)基調になってきているためです。
日足のユーロ/ポンドを見ますと、9月初旬の急騰分をその後2カ月半をかけて丸々埋めてきています。
0.8850近辺が強いサポートになっていますが、これをブレイクすると大きな下落になる可能性があります。
言い換えれば、ある程度まで、ユーロ/ドルとポンド/ドルの上昇(ドル安)は、平行して進行するかもしれませんが、ユーロ/ポンドがサポートをブレイクしてくると、ポンド/ドルは急伸する可能性があるということです。
ブレグジットがまだ決着を見ない中で、なぜポンド高がユーロ高を上回る可能性があるかですが、シカゴIMMのユーロとポンドのネットポジションを、最新の11月17日時点で比較してみましょう。
そうしますと、ユーロは約13万4千枚のユーロロングに対して、ポンドはブレグジットを警戒してか、約2万枚のポンドショートです、
ユーロは圧倒的にユーロロング(ドルショート)が多いのに対して、ポンドはポンドショートとむしろドルロングになっており、ポジション的にユーロのさらなる買い余地は限られている一方、ポンドの買い余地はまだまだ大きいということが言えます。
また、ポンド/ドルを単体で見ても、月足で見ますと、1.3500近辺がレンジの上限となっていますが、これが上抜けると、暴発的な上昇を見る(ポンド高ドル安)可能性があります。
やはり、ブレグジットが気にかかり、1.3500近辺で上げを抑えてきたことが、むしろショートポジションが膨らむ結果になっているのではないかと見ています。
尚、ポンド/円では、それほど、はっきりとしたポンド買いサインはありません。
ということは、ポンド/ドルは上がるが、ドル/円も下がるドルを中心としたドル安相場になるということではないかと見ています。
そういった理由から、ポンド/ドルがドル安の先陣を切るのではないかと見ています。
特に、懸案のEUとのブレグジット交渉が合意を見ることになると、ポンド/ドルをリード役とするドル安は、本格化するものと思われます。
ブレグジットについては、2016年からですから、既に4年越しとなっており、ある意味、ポンド安に対しては耐性ができていると見ています。
それだけに、合意ともなれば、まさにポンド/ドルは暴発的な上昇を見ることになると考えています。