MACDとは、Moving Average Convergence Divergenceの頭文字をとったもので、直訳で移動平均収束拡散法という分析ツールです。

実は、MACDとの付き合いも、もう30年か35年くらいになっています。

つまり、意外と歴史のあるものです。

マックディーなんて格好良い言い方はせず、最初はエムエーシーディーと言っていました。

でも、優れもので、随分重宝したものです。

それが、一般に普及していくに連れ、多くの分析ツールがそうだったように、うまく働かなくなるのではないかと思い、縁遠くなっていきました。

ところが、昨年、あるきっかけで、MACDと真正面から向き合ってみると、なんと相変わらずの優れもので、自分の独りよがりな考えを大いに反省しました。

つまり、250年の風雪に耐えた酒田五法に相通ずる、普遍性を持った分析ツールだということだと思います。

仕組みをお話ししましょう。

  • ドル/円 1時間足

MACDは短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用することで、買いと売りを判断する手法です。

ここで使用する移動平均線は、通常の単純移動平均線(SMA)と異なり、新しい価格のほうがより影響力が高いという考えから、新しい価格の比重を高めて計算される指数平滑移動平均線(EMA)を使っています。

MACDは基本となる線MACD線と、MACDの移動平均線であるシグナル線と呼ばれる2本の線の推移でマーケットの判断をします。

パラメーター(変数)の設定値は、一般的な短期EMA:12、長期EMA:26、シグナル:9を使用しています。

シグナル線をMACD線が上から下に切れば(デッドクロス)売り、シグナル線をMACD線が下から上に切れば(ゴールデンクロス)買いになります。

ただし、実は、私はこれらの線のクロスを見るよりも、ヒストグラム(棒グラフ)がゼロより上なら買い、ゼロより下なら売りという、よりビジュアルに訴える方を、よく見ています。

相場感では上げだと思っても、ヒストグラムが売りなら、まずだめです。

現在、1時間足のMACD(ヒストグラム)を中心に見ていますが、同時に15分足、30分足も見ています。

一番強力なのは、15分、30分、1時間足が、そろって売りなり買いなりを示した時です。

ただし、そうは言っても、MACDにおんぶにだっこというわけにはいかない場面もあります。

MACDの1時間足も売りのままでも、下押ししても下げきれなくなった場合では、MACDは売りでも、買ってしまうことがあります。

なぜなら、その後買いにMACDが転じても、多分もう安いところでは買えないと思う時です。

相場は、リスクを最小限に抑える努力は必要ですが、やはりリスクを取らなければ、良い持ち値でポジションを持てない時があります。

その時は、腹をくくってリスクを取るしかありません。

つまり、取らなくてもいいリスクと取らなければならないリスクのどちらを今自分は取ろうとしているのかを自らに問いかけることが大事だと思います。

不要不急のポジションというものがあると思います。

これによって取ってしまうリスクは、取らなくてもいいリスクだと思います。

したがって、あえてリスクを取る必要はありません。

しかし、ここ一番の時は、リスクを恐れずにとることが大事です。

そのあたりのメリハリをとることが大事です。

このようにして優れた分析ツールと自らのリスク感覚をうまく併用できれば、より良い結果を生むことになるものと思います。

先にも述べましたように、MACDには普遍性があると思います。

いろいろな分析ツールがあります。

どの分析ツールに普遍性があるかどうかその真贋を見極めるためには、やはり使ってみることだと思います。

最低3カ月使ってみれば、使える分析ツールか否かがわかってくると思います。