年末を迎えて、来年を展望するにあたり、長期のチャートを見ることは大変重要です。まず、ドル円の2017年以降の月足チャートを見て見ましょう。
これで見る限りは、ほぼ横ばいで、面白味のないチャートでしかありません。
私が、申し上げたい長期とは、実はもっと長く、せめて10年前後の長期のチャートを見て頂きたいということです。以下のチャートをご覧ください。
2007年以降のドル/円、月足チャートです。
主だったところでは、2008年には世界を震撼とさせたリーマンショック、2011年には東日本大震災、2012年からはアベノミクス、2014年には黒田バズーカ第2弾、2016年にはトランプ氏が大統領選に勝利しました。
2007年から2011年の間に、124.10近辺から2011年の戦後最安値75.32まで、約49円弱下げ、そして、そこから2015年には125.86まで、約50円の上昇を見ました、
つまり、申し上げたいのは、過去2007年から2015年の8年間に、50円もの上下動をしてきているということです。
そして、その後2017年から現在までの3年間が14円の値幅に止まっているのに過ぎず、相場を遠望してみると、決して膠着状態が長く続いているわけではありません。
そして、2015年以降のチャートを見てみますと、相場が明らかに三角保ち合い(もちあい)となり、収束してきています。
相場が収束するということは、次の段階として、大きな変動を迎えるということです。
それが、上げか下げか、どちらになるかは、今の段階では、あえては決め打ちせず、自然体で見ることが大事だと思います。
ただし、2015年以来の収束だけに、抜けると相場は相当動くものと思われます。
再三になりますが、それを確認する意味で、2007年以降のドル/円チャートを振り返ってみましょう。
如何に相場が収束すると、その後大きな変動になっているかが、お分かり頂けると思います。
2011年~2012年に極めて収束した後、相場は50円もの急騰を見せています。そして、それからまだ10年も経ってはいないのです。
収束と拡張(急騰・急落)は、繰り返されています。ですから、相場が動かなくなったと言って、それが未来永劫続くものではなく、いつかは拡張に変わります。収束に時間を掛ければ掛けるほど、拡張はダイナミックなものになります。
怖いのは、動かなくなってしまった相場に目が慣れてしまうと、大きな動きについていけなくなること、つまり、怖くてついていけなくなってしまうことです。
しかし、そうなればそうなるほど相場は、ひたすら一方向に進むものです、
例に上げました、2011年~2012年の収束期の後の急騰の第一弾は、2012年10月のアベノミクスからで、それは、翌年の5月まで続き、約24円の上昇を見ました。
この時の、上昇は、ロケットでした。とても、怖くて買って行けない相場でした。しかし、なにか情報を得ていたのか米系ファンドは果敢に買い上げました。
あのクリスマス休暇を人一倍楽しみにしている連中が、休暇返上で買い上げに買い上げ、大儲けしました、あの米著名投資家ジョージ・ソロス氏も、10億ドル儲けたと聞きました。
要は、膠着相場に慣れてしまって柔軟性を失った者は、ここ一番で動きが取れなくなるということです。
現在、本邦機関投資家の「下がったら買い上がったら売り」方針に、相場はさらに膠着しています。
しかし、逆に、その膠着が続くことが、相場の拡張を増幅させる結果になる可能性は極めて高いと思います。
それだけに、平時に緊張感を保つことは大変かもしれませんが、ある一定の緊張感は必ず持っていることです。