現在、相場が動き出すタイミングを示すボリンジャーファイブでドル/円の月足が収束してきていることが気になっています。
ボリンジャーファイブとは、通常のボリンジャーバンドが期間20と21にするところを、期間を5にしてシグマを2にして、相場の動き出すタイミングを知るものです。
上下のバンドが収束して平行になると動くサインを示します。
相場では、もちろん動く方向を当てるということが大事ですが、同時に、動くタイミングを知るということが重要です。
なぜなら、方向は当たっていても、タイミングを外して儲からないことが多いからです。
ドル/円を月足で見ますと、ここにきて、2017年以降では初めて、上下のバンドが収束してきて、動き出すタイミングになろうとしています。
ただし、ボリンジャーファイブの欠点は、動くタイミングは教えてくれても、方向は教えてくれないということです。
そこは自分の相場観なり、別の分析ツールとの併用が必要です。
私自身、いろいろな分析ツールとの併用を試してみましたが、見つからず、現在は、自分の相場観と併用しています。
自分の相場観からすると、底値確認のパターンである三兵(さんぺい)が週足で形成途中であり、それからすれば、上伸と見ました。
三兵は、横から見れば、女性のハイヒールのような形状をしていて、かかと部分、土踏まず、そしてまたダラダラと下げて底値圏を形成した後、三陽線を出し。その後いったん下押しするものの、下げきれないと本格上昇となるというものです。
この三兵通りであれば、112.00前後までの上昇が考えられます。
ただし、機関投資家の「下がったら買い、上がったら売り」のトレード方針も変わっておらず、たぶん110.00あたりでの売りも執拗に出るものと思われます。
加えてここにきて、公的年金の運用をするGPIFも、いわゆる、現在生保が盛んに行っているオープン外債(外債購入時に為替ヘッジをせず、機動的にヘッジを行う外債運用)を行うもようで、さらも下がったら買い、上がったら売りが出やすくなるものと思われます。
したがって、当面は、9月以来のレンジ106.50~108.50近辺が、108.00~110.00近辺にまずは移行することではないかと見ています。
そして、そこに行っても下値が堅ければ、一段上げて110.00~112.00近辺のレンジに移行するのではないかと思います。
また、需給的に言っても、例年、年末に向けては、年末のドル資金の調達や、米企業の日本法人の利益送金など、ドル買い需要もあることから、傾向的にもドル高になりやすいということもありますので、これからクリスマス前まではドル買い需要は強まる傾向にあると思われます。
ただし、一方では、トランプ発言やブレグジットなど、リスク回避の円買いを呼ぶような事象も、これからも起きる可能性は否定できません。
しかし、今年、5月からのいわゆるリスク回避(リスクオフ)相場も、8月に底をつけ、その後の日足ベースの値動きは、基本的にジリ高になっています。
つまり、マーケットの多くの参加者が、リスク回避の円買い相場に確信を持ってしまったために、ドルの戻り売りを繰り返すことにより、マーケットのポジションが恒常的にショートになっており、こうなると、新たなリスク要因が発生しても、円高の反応は一時的で、結局は、円売りが再開されるものと思われます。
そういったことから、これから年末に掛けて、円安傾向は続くものと見ています。