このチャートは、ドル/円が、今年1月3日に109円台から104円台まで急落した後を示したものです。
1月3日日本時間午前4時台に、ニューヨーク市場でドル/円は、109.45近辺から下落を開始し、午前7時時台に109.00を割ると、下げ足を早め、1時間のうちに、104円台まで突入しました。
これは、3が日の薄いマーケットで、ストップロス狙いの仕手筋に狙われたものと思います。
仕手筋は、この急落場面でしっかり利食い、いわば純粋な意味での新年相場はこの段階で終わっていたものと思われます。
しかし、大多数のマーケット参加者には、大急落という残像を手掛かりに、それからが大多数における新年相場になりました。
つまり、言い換えれば、急落を目にしたことで、下げを確信し、ベア(弱気)になった相場だったわけです。しかし、安値で売るのはさすがに気が引け、やることは戻り売りとなります。
少し上がれば戻り売り、もう少し上がれば戻り売りとやっていくと、マーケットはどんどんショートになって行きます。
そして、それほど体力のないプレーヤーは買い戻しに入りますが、そこはもっと体力のあるプレーヤーがガバッと売って反落、他のショート筋もいったんはホッとするものの、要は、さらにショートになります。
こうして、相場の水準を上げながら、ショートが増えて行くという構図が出来上がります。
チャートで見れば、きれいな右肩上がりのチャートになり、これを一見しただけで、マーケットがショートであることがわかります。しかも、値を上げながら、ショートが増えていっていることがわかります。
この相場にも、終着点はあります。それはふたつあります。その通貨ペアが、急騰によって、ショートが一掃されて終幕を迎えます。
もうひとつは、下がらないと見て、ショートからロングに転換し、場合によっては、そのまま急騰もありえますが、むしろロングに転じたことが裏目になって反落することです。
いずれにしても言えることは、ショートポジションが解消により、負のスパイラルは終わることで、次の展開が生まれるということです。
今回の場合は、ショートからロングに転じたことが、新たな下げのエネルギーになっています。
この一連の動きで重要なことは、大きな出来事があり、それによって、マーケットの大勢が売りあるいは買いを確信するということです。
この確信によって、マーケットのポジションは一方向に偏り、あとはその巻戻しによるジリ高あるいはジリ安が続き、そして最終的には決定的な買戻しなり売り戻しによって、終着を見るというものです。
これは、なにも今回のような大相場に限らず、日々散見され、たとえば、急落後のジリ高のチャートを見るだけで、今の相場がショートであることは、簡単に見抜くことが出来ます。
そして、その見抜く能力においては、ロンドン勢は卓越したものがあり、特にマーケットがショートになっている時に、力づくでしつこく買い上げてショート筋を切らせる、いわゆるショートスクイズは、よく見かける光景です。
このことを、本邦勢が理解し、逆に利用していくことが出来るようになれば、結構な収益源になると思います。
いずれにしても、大事な事は、いろいろな情報を伝えてくれる値動きを無視せず、重要視するということです。
それによって、数多くの収益チャンスを得ることになると思います。一枚のチャートが、多くのことを語ってくれます。ですので、一枚のチャートにいろいろな推理をしてみてください。