相場は、転換を迎える時があります。こうした時、いかに早く転換に気づき、方向転換するかどうかで、いち早く新しい収益チャンスに乗れるかが決まってきます。
そこで、私の経験から気づいた点についてお話ししてみたいと思います。
連続して相場があたらなくなった時
今までの相場観があたらなくなる時があります。それは、単に自分のトレードの失敗と捉えるよりも相場が変化してきていることを示していると捉えることが大切です。
今までの相場観が継続的にあたっていたのが、ある時、2回、3回と連続してあたらなくなるということは、相場自体が転換しているという証拠だと思っています。
そういった敗けが続いたら、いったん手持ちのポジションは手仕舞い、現状の相場は、それまでとどう変わってきたのか、あるいは相場のテーマがどう変わったのかを徹底的に追求することが大事です。
ですから、単に相場があたらないで済ませるのではなく、相場がどう変化してきているのかということを突き止めようとする姿勢がないと、いつになっても、新しい相場に乗れなくなります。
そういう意味で、2、3回負けが続くというのは、相場が変わってきていることを身を持って知ることであり、決して無駄金を使ったわけではありません。
むしろ、新しい相場の波に乗れる近道をしたと捉えるべきかと思います。
私自身、こうした体験は、過去に何度もしてきましたが、連続した負けが相場の転換点に来ていることを示しているという捉え方は多くの場合あたっていました。
システムトレードでも、同じプログラムが継続してワークすることは難しく、定期的な見直しが必要だと聞いています。
相場は生き物であり、裁量取引でも、システムトレードでも、相場観の調整が必要だということだと思います。
相場転換と5日移動平均線
短期的な相場の転換を確認する上では、5日移動平均線が有効です。
たとえば、相場が上昇を続けている時、この短期の移動平均線は鋭角的に上を向いており、下押しがあっても跳ね返す強いサポートとなっています。しかし、相場の上げが緩やかになってくると、5日移動平均線の上昇角度も緩くなります。
それでも、5日移動平均線がまだ上を向いているうちは、相場も高値圏を形成するに止まっていますが、5日移動平均線が水平ないし下を向いてくると、相場の転換、この場合で言えば、上昇から下落への転換となる可能性が高まります。
具体的に、相場転換のタイミングを確認するには、上昇から下落への転換であれば、5日移動平均線が水平ないし下向きになっているということを前提に、日足の東京寄り付きあるいはニューヨーククローズが、5日移動平均線を下回った時です。
こうなると、今まで下げづらかったところを、スーッと下げることがあり、要注意です。
今回は、上昇から下落への転換を知る上での5日移動平均線の有効性についてお話しましたが、下落から上昇への転換を知る上でも、5日移動平均線は有効です。
下落から上昇への転換は、ご説明しました上昇から下落への転換への過程とは逆で、5日移動平均線が水平ないし上向きになっているということを前提に、日足の東京寄り付きあるいはニューヨーククローズが、5日移動平均線を上回った時です。
神の手
相場を何年もやっていると、「神の手」の存在を否定できなくなります。
相場の下落局面で、いくら抵抗を試みても、神の手が下を向いていると抗しきれず、結局下げてしまうとか、上げの相場で、いくら下押しされても、反発して高値を更新したりすると、上を向いている神の手の存在を感じずにはいられません。
また、相場の転換点で、そのきっかけとなる事由が、タイミング良く出てきて相場が動くと、神の手の存在を感じます。こうしたことは、非科学的なことですので、無理にお勧めするものではありません。
ただし、相場とのつきあいが長くなると、そういったことを感じるときを、きっと体験されると思います。そのときは、敢えて頭ごなしに否定するのではなく、身を委ねてみてはいかがでしょうか。
つまり、神の手を感じたときは、素直にそれに従うことが良いように思います。
トレーディングを経験すればするほど、不思議なこととの出合いがあり、それを否定せずに受け入れることで、さらに一歩、トレーディングが上達するように思います。