あるTV番組で、年収5,000万円の農場主の紹介をしていました。従業員本人1人、そして、1週間のほとんどを読書して過ごしているという人です。農場には、週に1回行くかどうかですが、儲けています。

種明かしをしますと、彼は、ブルーベリーの観光農園を経営しています。ブルーベリーは、一房に熟して食べごろの実と、まだ食べるには早い実が一緒に生るので、収穫は手摘みだけしかできないそうです。

そのため、普通にブルーベリー農場をやると人件費がかさみ、儲けるのは大変ですが、彼の農場にように観光農園にすれば、観光客が入場料を払って、しかも自分で摘んでくれます。

  • 儲けの知恵比べ

ですから、彼がやるべきことはおいしいブルーベリーを栽培しておくことと、園内を歩きやすいようにしゃれた板敷きなどにして観光施設として農場のグレードアップに努め、観光客を誘致することぐらい。毎日働きづめというわけでなくても、高収入が得られるというものでした。

この番組を見て、やはり儲けるためには、知恵を絞ることが大事だということを痛感しました。

儲ける仕組みを考える

一見、楽して儲けているように見えますが、儲ける仕組みを考えることは、決して簡単なことではありません。

それはFXのトレーディングにも言えて、どうやって儲けさらにその儲けを温存するかという仕組みを自分のものにするのは、そう簡単なことではありません。そのためには、第一にメンタル面をクールにすることが必要ですし、儲けの独自の仕組みを考える必要があります。

もうひとつ、例を挙げましょう。

この前、私がもともといた日本の銀行の同期会があり、何十年ぶりかで会った友人です。余談ですが、彼はボートのオリンピック候補選手で、いい体格をしています。

その彼は、今、株のデイトレーダーだそうですが、面白いことを言っていました。

彼は、ある一銘柄しかトレードしないそうです。そして、もうその銘柄とは、何年もの付き合いのため、癖は完全把握しているそうで、安定して結構な年収を稼ぎ出しているそうでした。

以上、二例からも分かりますが、要は独創的な着想をすることが大事なことで、言い換えれば、人真似でない自分オリジナルを持つことが大事だということです。そうでなくては、簡単に儲けさせてくれるものではありません。

逆説的なことを、お話ししましょう。

FX会社と取り引きを始めると、プレインストール(既に設定されている)いろいろなテクニカル分析があります。しかし、私は、ロウソク足とか移動平均線をそのまま使う以外は、例えば、期間の設定を全く一般とは変えて使っているぐらいです。

なぜなら、RSIにしても、MACDにしても、ストキャスティクスにしても、もう30年も前から、基本設定は変わっていないからです。そんなもので、簡単に儲かるはずはないと思います。ですから、使うにしても、カスタマイズは欠かせません。

このように、儲けるためには、知恵を働かす努力が必要です。しかし、それによって出た儲けは、全て自分のものなのですから、いろいろああでもない、こうでもないと考えてみることには、励みになると思います。

相場の世界は、非情なようでいて、実はやりがいのある世界だと思います。それが本当にやりがいがあるようにできるかは、ひとえに、儲かることです。

そう考えれば、どう儲ければいいかとか、どの時間帯は相性が良いかとか、いろいろ稼ぐために考えなくてはならないことはいくらでも出てきます。

いいですか。儲けは、全部自分のものなんですよ。いろいろと、頭を絞ってください。そう考えると、アイデアを考えることが楽しくはありませんか?

水上紀行(みずかみ のりゆき)

バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀において為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。なお、長年FXに携わって得た経験と知識をもとにした初の著書『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』が2016年1月21日に発売された。詳しくはこちら