相場が動くというフィーリングは、結構、皆が持ち合わせているものです。しかし、大変大事な事は、気づいてからそれが現実になるまでには想像以上の時間が掛かるということです。
このことについて気づいている人は少なく、多くのマーケット参加者は、フィーリングが湧いてからすぐに相場に飛び込んでしまいます。こうなると、極めて短期間にマーケットのポジションは一方向に偏り、その反動として相場は反転。多くのマーケット参加者が巻戻しに巻き込まれることになります。これが、「相場のアヤ(相場の一時的な戻し)」の正体だと考えています。
ただし、アヤ戻しでもうひとつ気をつけなくてはならないのが、戻しの大きさは想定以上である場合が多いことです。そのために、単なるアヤ戻しと高をくくっていると、思わぬ反動にあわててしまい、それが原因でロスカットしてしまうことが多々あります。
つまり、多くの人がほぼ同時にひとつのフィーリングを抱き相場に飛び込むために、マーケットのポジションは一方向に短期間に傾くために反動(アヤ)が起こるのです。しかもその反動は予想外に大きいために、思わず損切らされるというのが、よく見受けられる動きだということです。
フィーリングにまつわる注意点とその対策法
そこで、特に注意すべき点を上げるなら、以下の2点があります。それぞれに対策を打てば、トレーディング収益に大きく貢献するはずです。
(1)フィーリングが現実になるには予想以上に時間が掛かること
(2)アヤ戻しは、想定以上に大きいということ
まず(1)については、何にせよ、フィーリングが湧いたからと言ってすぐに相場に飛び込まないことです。最初にギュイーンと相場が動いたからと言って、「バスに乗り遅れるな」と思ってはいけません。少なくとも、相場のアヤを待てるぐらいの胆力が必要です。
このあたりから(2)と絡んできますが、要は(2)とはアヤ戻しですから、この戻しのピークに近いところで、本来フィーリングが湧いたトレンド方向にポジションを持つ時だということです。
トレンド方向にポジションを持つ手法「タッチ・アンド・ゴー!」とは
ここで、このトレンド方向にポジションを持つ手法をひとつご紹介しましょう。それを、「タッチ・アンド・ゴー!」と呼んでいます。
本来、飛行機の用語なのですが、「着地後、すぐに上昇」ということです。つまり、ギリギリまで引きつけてポジションを持ち、すぐ様フェーバー(有利)に持って行くという意味で命名しました。
具体的には、トレンド方向に戻り売り、あるいは押し目買いをより有利なレートでするということです。
たとえば、戻り売りを例としてお話ししますと、現状水準から離れているレジスタンス(上値抵抗線)となる移動平均線を探します。
レジスタンスの場合であれば、その移動平均線は下向きでなければありません。押し目買いのサポート(下値抵抗線)の場合は、上向きでなければなりません。移動平均線は、あまり近くのものは選ばず、ある程度(たとえば100ポイントぐらい)現状レベルから離れているものを探します。
そして、移動平均線が抜けるとストップロスが出ることが多いので、さらに、5~10ポイント外側に、戻り売りなら売りの指値をします。つまり、ギリギリまで引き付けるということです。
こんなものがつくのかと思われるかもしれませんが、アヤ戻しという損切りにはそれぐらいのパワーがあります。
この良い点は、引きつけるだけ引きつけているため、アゲンスト(不利)になっても知れているということで、もしも、思惑が外れても軽傷で済みます。むしろ、よいコスト(持ち値)のポジションを作ることができます。
これがトレンド追求型のトレード方法ですが、もうひとつ見逃してはいけない部分があります。それは、こんなにアヤ戻しがあるなら、それに乗らない手はないということです。
つまり、アヤ戻しが始まったらそれに乗っかり、上記でお話ししたポジションを作るための戻り売りあたりのレベルを利食いのターゲットにして上げなら買いで乗るという方法です。
これは、あくまでも短期勝負ですが、相場に勢いがあれば、乗ってみない手はないと思います。
ここまで、ふたつの例を上げました。ひとつは戻りで売る、ひとつは反撥に乗るでしたが、結局戻りで乗るのは、マーケットがもっと上がってしまうという恐怖で買ってくるところを売り、アヤ戻しはマーケットが「下がダメだったから早く逃げなくては」と買ってくるところに買って乗っています。
つまり、マーケットの大勢派が翻弄しているところに乗じることが、トレードとしては、チャンスのあるトレードだと思います。
尚、ギリギリまで引きつけた戻り売りがつかなかった、アヤ戻しに乗れなかったといって悔しがらないことです。相場は、これ一回限りではありません。次のチャンスがあります。