連載コラム『芸能界と投資と私』では、芸能活動をしながら、フィスコのリサーチレポーターとして株式やFXの現場の取材レポートも行なっている三井智映子さんが、これまでの人生を振り返りながら、どうして経済や投資に興味を持つようになったかなどについて執筆します。


12年間の自活で、"サバイバル能力"が高めの女子に

前々回前回と苦労トークを続けてしまいましたが、12年間、どうにか自活してきたことは自分の自信にもなっているし、敢えて手を出さずに見守ってくれた両親には感謝しています。大学の同期には男気が評価されるほど、サバイバル能力が高めの女子になりました。また自活をしなければ知らなかったこともたくさんありました。

私の周りでも結婚したり出産したりする友人が増えてきましたが、近所のスーパーで「卵はこのスーパーが安い」など、女性ってよく把握していますよね。生活必需品の基本的な物の値段は把握しているという方は多いと思います。

私もいつのまにかそうした知識が身に付きましたが、考えてみればスーパーで"英才教育"を受けてたんだなと。今は近所の特売日は把握していますし、冷蔵庫の中身もわかっています。そういう意味では無駄遣いはほとんどしていないと思います。また買い物をしている時も、近頃は「ここでも需給バランスが!」などと感じます。

大学で学んだ経済学を生活の中で復習、改めて経済に興味を持つ

例えば旬のお野菜が安いのは供給が多いからですよね。少ないほど高いということでしょう。欲しいと思う人が多くても市場に出回っていなければ値段が高くなる。そんな当たり前のことを八百屋さんで実感しています。生きた勉強!

大学で学んだ経済学では「需給バランス」の変化する要因は、景気と物価と為替。景気がよくなりつつあるときは、消費者の消費意欲が高まるので需要が高まり物価が上昇します。また物価が急激に上昇をしようとするとお金の価値が下がるので、金融商品離れから金利上昇が起こります。逆に最近までの日本のようにデフレ状態になると金利は下降に向かいますよね。為替相場は輸入に関係します。頭では理解していましたが、八百屋さんという小さいマーケットでもこういう現象が起きていると感じることで、改めて経済に興味がわきました。

資本主義経済と銘打たれた世の中で、経済活動は、3つの経済主体である家計・企業・政府が、財やサービスを生産・分配・消費する活動のことだとされています。家計は主に消費し、企業は主に生産をし、政府はそれらを調整することが中心であるわけです。

また、経済活動はお金と商品やサービスを等価交換する実体経済(実物経済)とお金そのものを商品として金融取引(株・債券など有価証券の売買)や投資事業を行うマネー経済に分けることが出来ます。

実物経済とマネー経済が相互に支えあうことで資本主義経済は成り立っているわけです。そう考えると経済学って身近な学問ですよね。近所のスーパーの詳細を把握している主婦の方々は、投資の基礎知識をすでにお持ちなのではないでしょうか。

執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 三井 智映子

共立女子中学校・高校を経て、早稲田大学政治経済学部へ。2001年から芸能活動を開始し、現在テレビ、CM、舞台などに出演。また、いち消費者とアナリストの中間的な存在であるフィスコのリサーチレポーターとしても、株式やFXの現場を取材レポートしています。