日本国内において、マイレージプログラムの会員数が多いのは、ANA「ANAマイレージクラブ」、JAL「JALマイレージバンク」、ユナイテッド航空「マイレージプラス」、デルタ航空「スカイマイル」の4つで、4大マイレージプログラムと言われている。

  • 4大マイレージプログラムのひとつデルタ航空「スカイマイル」

ニッポン500ボーナスマイル・キャンペーンとは?

その中で、唯一、日本の航空会社との提携関係を持っていない航空会社がデルタ航空であるが、日本マーケットを意識したキャンペーンを独自で行っており、既に10年以上になることからキャンペーンと言うよりも恒久化しているのが実態となっている。そのキャンペーン名は「ニッポン500ボーナスマイル・キャンペーン」。

このキャンペーンでは、ANAやJALグループだけでなく、国内線であれば全ての航空会社(スカイマーク、AIRDO、ソラシドエア、スターフライヤー、ピーチ、バニラエア、ジェットスター・ジャパン、春秋航空日本、エアアジア・ジャパンなど)が対象となり、1フライト毎に500マイルが積算される仕組みになっている。

デルタ航空が独自で行っているキャンペーンであることから、ANAやJALなどのマイルを貯めながら「スカイマイル」にも積算できる。加えて運賃種別を問わないことから、特典航空券利用した場合の搭乗券も有効となる。ただ、搭乗者名が記載されていない一部の団体搭乗券については対象外となるが、ほとんどの国内線航空券が対象であると言ってもいいだろう。500マイルを獲得するには、デルタ航空のキャンペーンサイトもしくはFAXボックスから加算申請フォームを入手し、必要項目を記入すると共に、搭乗半券を貼った上で、FAXもしくは郵送で送ると後日加算される仕組みになっている。

  • デルタ航空のゴールドメダリオンカード

ただし、積算マイル数に上限が設けられており、年間(4月~翌年3月まで)において、一般会員は最大10フライト(最高5000マイル)まで、エリート会員(メダリオン会員)は年間40フライト(最高2万マイル)が上限となっている。マイレージカードは無料で入会できることから、国内線に搭乗する機会が年間10フライト以上あるのであれば、入会することに損することはないだろう。そして、何よりも有効期限がないことから3年間で毎年10フライトずつ積算することで1万5000マイルを獲得できる計算となる。日本~韓国線のエコノミークラス(大韓航空)の往復必要マイル数は1万5000マイルとなっているので、使わない手はないだろう。

貯まったマイルの活用法は?

デルタ航空はクレジットカードを発行しており、2011年11月から発行が開始された「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」では、年会費が2万7300円かかるが、自動的にラウンジも使えるエリート会員「ゴールドメダリオン」資格が付与されていた。しかし、今年夏にルールが改訂され、入会初年度は「ゴールドメダリオン」が無条件で与えられるが、2年目以降は年間カード利用額100万円以上で「シルバーメダリオン」、150万円以上で「ゴールドメダリオン」となることから、このカードを持って以前のように毎年40フライト(最高2万マイル)は難しくなるが、10フライトずつコツコツ貯めるだけでもいいだろう。

  • モバイルアプリからスカイマイル会員口座の確認などが可能

貯まったマイルは、上記の日本~韓国線のエコノミークラス(大韓航空)をはじめとした、デルタ航空便を含めたスカイチーム加盟航空会社便の特典航空券にも交換できるほか、デルタ航空のクレジットカード保有者もしくはエリート会員(メダリオン会員)に限って、スカイマーク便への特典交換も可能で、羽田~神戸線で往復1万5000マイル、羽田~福岡・新千歳・那覇線などでは往復2万マイルで乗れる。普段デルタ航空や提携するスカイチーム加盟航空会社便に乗る機会が少ない人でも日本で国内線を利用する機会が多い人にはおすすめのキャンペーンと言える。

筆者プロフィール: 鳥海高太朗

1978年千葉県生まれ。帝京大学経済学部地域経済学科非常勤講師。また航空・旅行アナリストとして、航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を様々な航空会社を利用しながら体験談を中心に各種雑誌・経済誌などで執筆しているほか、テレビ・ラジオなどにも出演するなどメディアを中心に情報発信をしている。著書に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社新書)などがある。