航空会社系クレジットカードを使うことでマイルがどんどん貯まっていくことは、これまでの連載記事で取りあげてきたところだが、実は少額決済でもクレジットカードを積極的に使うことで、思っている以上にマイルが増やすことができる。今回はそんな上級テクニックを紹介したい。

  • ポストペイの「iD」「QUICPay」でちょっとした買い物もOK

    ポストペイの「iD」「QUICPay」でちょっとした買い物もOK

携帯電話と連動したポストペイスタイル

最近ではコンビニをはじめ、スーパーやデパートなどの食料品売り場においても、サインレスでクレジットカード決済ができる機会が増えている。スターバックスの利用でもクレジットカード決済時は一部店舗を除いてはサインレスになっており、現金決済よりもクレジットカード決済の方が早いことも多く、クレジットカード決済すること自体が珍しくなくなった。

時には、プラスチックのクレジットカードを出すことすら面倒に感じることもあるだろう。そんな時に重宝するのが、携帯電話と連動したポストペイ(後払い式)の「iD」や「QUICPay」だ。

ICカード乗車券の「Suica」「PASMO」、また、「楽天Edy」「nanaco」「WAON」などのようなプリペイド(先払い式)と異なり、事前にカードにチャージする必要はなく、クレジットカードに紐付けされる形で、携帯電話に組み込むことが可能。iPhoneにおいては、「Apple Pay」にも対応している。

基本的には1万円以下の決済においてはサインレスになっており、プラスチックのクレジットカードよりもスピーディーに決済できる。一度使うと病みつきになってしまい、少額での利用にも抵抗がなくなる人が多いようだ。iDやQUICPayの利用料金は紐付けされているクレジットカードの利用料金として、カード引き落とし日に銀行口座から引き落としされる。また、クレジットカード利用のショッピングマイルも、同様に積算される。

iPhoneもアンドロイドも適応可

では、そんなiDやQUICPayのどちらが使えるかだが、ANAカード・JALカードは共に対応している。なお、基本的にVISAカードやマスターカードとの提携カードついてはiD、JCBカードやアメリカン・エキスプレスカードとの提携カードについてはQUICPayが利用できるようになっている。

  • ANAカードは「iD」「QUICPay」共に対応している

    ANAカードは「iD」「QUICPay」共に対応している

事前にiDやQUICPayの登録手続きが必要になるが、iPhone7以降のApple Payに対応したiPhoneを持っている人であれば、所定の方法でクレジットカードを読み取ることで、iDやQUICPayがすぐに利用できる。登録も数分で完了となる。

特に最近では、Apple Payをより多くの人に使ってもらおうということで、一定額を利用するとキャシュバックされるキャンペーンも実施している。今所有している航空会社系のクレジットカードでキャンペーンがあるかどうか、一度確認することをオススメする。

Androidのスマートフォンでは、「おサイフケータイ」に対応している機種かどうかを確認しよう。カード会社への申し込みが必要になるが、おサイフケータイ対応機種であれば、iDやQUICPayが使うことができる。

  • JALカードも「iD」「QUICPay」共に対応。ちょっとした買い物も携帯電話ひとつで

    JALカードもiDとQUICPay共に対応。ちょっとした買い物も携帯電話ひとつで

iDやQUICPayをぜひ活用してほしいところだが、まずは少額決済でも積極的にカード決済するように心掛けるところからスタートしてみてもいいだろう。

筆者プロフィール: 鳥海高太朗

1978年千葉県生まれ。帝京大学経済学部地域経済学科非常勤講師。また航空・旅行アナリストとして、航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を様々な航空会社を利用しながら体験談を中心に各種雑誌・経済誌などで執筆しているほか、テレビ・ラジオなどにも出演するなどメディアを中心に情報発信をしている。著書に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社新書)などがある。