こんにちは。管理栄養士の大柳珠美です。このコラムでは、忙しいビジネスパーソンでも手軽に実践できる内臓脂肪を減らす食生活情報をお伝えしていきます。

これまで内臓脂肪の減少に役立つ食事の摂り方についてお話してきました。ここからは外食のシチュエーション別に、食後高血糖を防ぎ、内臓脂肪を貯めないメニューについて、具体的におすすめの料理名を挙げながらご説明していきます。

まずは、ビジネスパーソンの利用頻度も多い居酒屋でのおつまみ、お酒の選び方について、おすすめメニューをご紹介します。

肴は焼き物、刺身、酢の物、サラダ、酒は焼酎、ウイスキーなど蒸留酒を

おつきあいや仕事帰りの息抜きなど、オン・オフともにビジネスパーソンのフードシーンになくてはならない居酒屋。内臓脂肪に悩む方の中には「お酒の席での食事は減らすことができないから減量は無理」とあきらめている方は、案外多いのではないでしょうか。 しかし、これは誤解です。むしろ焼き物、刺身、和え物、酢の物、サラダ、鍋など、血糖値を急激にあげないバラエティーに富んだメニューが豊富な居酒屋は、量を無理やり減らす必要はなく、ビジネスパーソンの強い味方とも言えます。

以下は、食後高血糖を防ぎながら内臓脂肪を減らしたい方におすすめの居酒屋メニューです。参考にしてみてください。

居酒屋で食べてほしいおすすめメニュー

おすすめメニュー
焼き物 北海道産 真ほっけ焼き、ししゃも焼き、砂肝焼き、ねぎま(タレではなく塩)
揚物 鶏の軟骨揚げ、北海道産噴火湾産 タコの唐揚げ、ザンギ(鶏の唐揚げ)
サラダ 桜えびと大根のサラダ トロロ添え、冷やしトマト
酒菜 にしんの酢〆、山芋もずく酢、一丁入魂 こだわり豆腐、蟹とかわめの酢のもの、生湯葉で巻いた蟹ときゅうりの生春巻き
ドリンク
(アルコール)
焼酎、サワー(ウーロン割り、緑茶割り)、ウイスキー
*上記のメニューは、全国展開している居酒屋「北の家族」のメニューを元に作成しております。

これらのメニューは、低糖質、低脂質、高食物繊維のうえアルコールを解毒する良質たんぱく質やビタミンも併せて含まれおり、一石二鳥です。

ポイントは、お酒の席では話が弾み、つい食べ過ぎてしまう傾向にあるため、糖質はもちろん脂質にも目を配らせながらメニューをチョイスすることです。甘い飲み物や〆のごはん、麺には手を出さないことが重要です。

焼き物は、鶏の皮や脂身は外しましょう。串焼きは、焼き鳥がおすすめですが、タレ味より塩味の方が糖質、エネルギーともに低く抑えられます。トマトやアスパラをベーコンで巻いた串は、一見野菜が入っていてヘルシー感がありますがベーコンには脂質が多く含まれているため避けた方が無難です。

ほっけ焼きイメージ

串焼きイメージ

揚物は意外に思われるかもしれませんが、肉や魚介の唐揚げに関して言うと、衣が比較的少ないため糖質・脂質ともにカットでき、おすすめです。フライドポテトやコロッケは衣に加え、原料がジャガイモ(糖質を多く含む)なので要注意です。

サラダイメージ

豆腐、刺身、野菜サラダ、海藻の酢の物といったサラダや酒菜は、糖質が少なく、食後高血糖を予防する食物繊維が豊富なものが多い上に、エネルギー量も低いので安心です。中でもサラダや酢の物に使われることが多い大根や山芋は消化酵素を豊富に含んでいて翌朝の胃もたれ防止にも役立ちます。サラダは、ポテトサラダや、揚げた春巻きの皮などがトッピングにたっぷり使われているものは残しましょう。


その他、ピザ、チジミ、餃子など糖質を多く含むおつまみと、〆のチャーハン、お茶漬け、麺など、そしてデザートは食べたいと思いますが、厳禁です。どうしても食べたい場合はおつまみを選択して下さい。ピザ、ぎょうざ、チヂミを1切れ、1個に程度にすれば、〆の麺やごはんの糖質より少なくて済みます。

サワーイメージ

アルコールに関しては、焼酎、ウイスキーなど蒸留酒のお酒の方が血糖値を上げにくいと言われています。焼酎は甘い飲み物で割ってしまうと糖質が高くなってしまうので、ロック、水割り、お湯割り、ウーロン茶や緑茶割りで楽しみましょう。ビール、日本酒、梅酒、カクテル、ワインなど醸造酒は血糖値に影響し、ひいては内臓脂肪の増加につながります。ただし、赤ワインはグラス1~2杯なら血糖値にあまり影響しないとも言われています。いずれにせよ、お酒はアルコールの解毒を行う肝臓に負担をかけるため、飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。


次回は、和洋中、あらゆる味が24時間楽しめるファミリーレストランでのメニューの選び方についてです。

写真提供:北の家族