気になるけどなかなか聞きづらい『生理(月経)のギモン』。本連載では、そんな生理(月経)にまつわる悩みを産婦人科医であり、宮の沢スマイルレディースクリニック院長の馬場敦志先生に聞いてみました。
今回は「生理痛がひどい」という悩みについて。どのように対応したらいいのか、また生理痛を伴う生理中に避けるべき行動をお届けしていきます。
■生理痛がひどいときは…?
――生理痛(月経痛)がひどいのですが、どうするといいですか?
月経痛がひどい場合には、婦人科を受診して検査を受けるとともに治療を相談しましょう。月経時の痛みがひどい場合には、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの病気が隠れている場合があります。婦人科を受診して、エコー検査などを受け、痛みの原因がないか検査を受けましょう。
また、月経痛は、子宮の「炎症」と「けいれん」によって引き起こされます。炎症を抑えるためにNSAIDsという種類の鎮痛薬を使用したり、芍薬(しゃくやく)甘草湯という漢方薬や、ブチルスコポラミンという子宮の筋肉のけいれんを抑える薬によって痛みを改善させることができます。
また、低用量ピルや黄体ホルモンなどの使用によって普段から月経痛を和らげてくれるような治療法もあります。
――ちなみに、生理時(月経時)に避けた方がいい行動などがあれば教えてください
月経中に避けた方がいい行動として、喫煙、飲酒、症状を我慢する、無理をする、体を冷やすなどがあげられます。
月経時にはストレスから喫煙回数が増えてしまうことも。喫煙によって全身の血流、特に子宮の血流は悪くなり月経痛が強く出ることがあります。そもそも、月経に関係なく喫煙は健康にとって害があるため、禁煙することをおすすめします。
また、月経中の飲酒は控えるようにしましょう。アルコールをとり過ぎると、月経前の症状や月経中の不快な症状が悪化することがあります。
そのほか、月経中は月経痛や頭痛、めまいなどの身体症状だけでなく、精神面の不調も出やすいです。症状を我慢せず、早めに痛み止めを使用したり、無理をせずリラックスした時間を過ごしたりすることが大切です。
なお、体を冷やしてしまうと全身の血流が悪くなってしまいます。特に子宮の血流の低下から、月経の痛みが強く出てしまう場合がありますので、体を冷やさないように気をつけましょう。
いかがでしたでしょうか? 気になることや不安なことがあれば、専門医に相談するようにしてみてください。それでは、また次回!
監修者 : 馬場 敦志 先生
筑波大学医学専門学類卒業。現在は、札幌市にある「宮の沢スマイルレディースクリニック」院長を務める。
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