羽田、成田と首都圏では2カ所から発着しているタイ航空。今回は往路を羽田発(早朝0:20発)、復路を成田着(現地22:35分発)で飛んだので、機内食は両方とも朝食がメインということになったが、タイ風と洋風の両方を試してみたので紹介しよう。
羽田、バンコクともに現地を飛び立つのは夜。というわけで、この場合は時間的な理由で朝食がメインの機内食ということになる。その前には軽食が供され、羽田発ではコンビニエンスストア風の明太子ゆず風味のおにぎり、バンコク発ではハムのロールサンドであった。往路、復路ともに朝食のチョイスは2種類。どちらもタイ風のおかゆかオムレツかを選ぶことができる。
タイ風のおかゆはボリューム満点
往路で選んだのはおかゆ。カットフルーツとイチゴ風味のヨーグルトがついてくる。アルミのカバーをあけるとふわっと漂う生姜の香りが食欲をそそる。ポークのそぼろはたっぷりとトッピングされていて、思わず腕まくりをして臨むほどのルックス。つまりおいしそうである。
だしで煮込んだごはんは、おかゆというより雑炊。サラサラしているのでするすると胃に収まる。生姜の細切りや小葱、銀杏、クコの実などもトッピングされており、かなり本格的かつ豪華。さっぱりとした朝ごはん、というより酒を飲んだ後のシメのようながっつりっぷり。東南アジアではよくあるおかゆメニューだけに、ハイスタンダードだ。
一緒にクロワッサンも出てくるが、こちらもバターの薫り高くもっちりとした食感でおいしい。乾燥した機内ゆえ、皮の部分がちょっと触れただけで粉々になるほどのパリパリぶり。これはクロワッサンなら利点となるのではないだろうか。
復路の洋風メニューは
往路でおかゆを選んだので、復路では洋風のオムレツをチョイス。ちなみに、復路でもタイ風メニューはおかゆで、具材は往路と違って海老のおかゆであった。
洋食はプレーンオムレツ、ソーセージ、ベイクドトマト、マッシュポテトがメインプレートに収まっており、カットフルーツとヨーグルトが添えられている。オムレツはあまり玉子の味がしないというか、塩味が強い。ソーセージにはハーブが練りこまれ、肉の食感はないがなかなかジューシー。こちらもしっかりした味付けなので、トマトと一緒に食べるくらいでちょうどいい塩加減だ。マッシュポテトもチーズが入っていて付け合わせというよりも、しっかりとしたおかずというくらい主張のある味だ。パンは温めすぎたのかそれとも元からなのかはわからないが、ちょっと乾燥ぎみなのが残念であった。
洋食メニューの朝食ははっきり言ってどのエアラインも似たような内容ゆえ、特筆すべきポイントが少ないものの、タイ航空、というか東南アジアのヨーグルトはちょっと独特だ。東南アジアでは牛乳が輸入の粉乳であることが多いせいか、日本の牛乳と味が違う。そこから作られるヨーグルトも然り。こっくりしているというか、砂糖とは別に脂肪分の甘味があるというか、とにかく違うのだ。往路でいただいた日本のヨーグルトはほのかに酸味もありさらっとした印象であるのに対し、こちらは甘味が勝っていてクリーム状と、ヨーグルトが苦手な人でも食べられそうである。
往復ともに朝食ではあったが、タイ航空機内食は味付けがしっかりしているな、という印象だ。今回はタイ風、洋風と比べてみたが、成田発、バンコク発でおかゆを食べ比べてみても楽しいだろう。