日本就航50周年という記念の年ゆえに、世界に先駆けて日本路線にボーイング787-10を導入するなど、2018年に何かと話題も満載な航空会社がシンガポール航空だ。そんなシンガポール航空が設立70周年を記念して2017年にリリースした機内食が「日本の家庭の味」。2018年においても、日本発のプレミアムエコノミークラスとエコノミークラスで提供している。
世界中から選抜したシェフたちが考案
シンガポール航空と言えば、トリップアドバイザーが先ごろ発表した「トラベラーズチョイス 世界の人気エアライン2018」でも世界1位に選ばれるなど、世界最高峰のエアラインとしてその名を広く知らしめている。いち早く新しい機材やシートを投入したり、「シンガポールガール」と呼ばれるクルーによるホスピタリティを徹底したり、シンガポール航空が世界の航空会社に先駆けて取り組んできた事例はいくつもあるが、機内食革命もそのひとつだ。
現在でこそ、エアライン各社が各国を代表するスターシェフとコラボレートして、ファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスの乗客にクオリティの高い機内食をサービスするのが当たり前になったが、この流行の先陣を切ったのがシンガポール航空である。
今から20年も前の1998年には、世界中から選抜したシェフたちによる機内食改革チーム「インターナショナル・カリナリー・パネル(ICP)」を結成し、機内食を抜本から見直してきた。今回紹介するエコノミークラスの機内食にも、その改革チームの技を見て取れる。
やっぱりここは「ハムカツのおにぎらず」を
今回利用したのは羽田=シンガポール線のエコノミークラス。羽田からシンガポールへは朝・夕・夜の3便が飛んでいて、往路はナイトフライトのSQ653便(22:50羽田発/05:25シンガポール着)、777-300ER機に搭乗した。
はっきり言うと、夜行便は機内食を楽しむには向いていない。多くの人が搭乗前に食事を済ませ、機内では眠って到着後に備えるのだから。それでも水平飛行に移るとすぐ、ドリンクと軽食が配られた。メニューは「メープルシロップパンケーキ」または「ハムカツのおにぎらず」の2種類。大ブームになった"おにぎらず"を時差なく取り入れていることに驚く。
朝食は2種類のうち、楽しみにしていた"日本の家庭の味"をチョイス。この日のメニューは「鶏八幡二色丼 玉子そぼろ、鶏そぼろ、紅生姜とともに」。食べ慣れた味にほっこり和む。ちなみにもうひとつは「オムレツ クリームチーズとともに チキンソーセージ、ブロッコリー、チェリートマト、フライドポテト添え」だった。
帰路は朝・午後・夜の内、再びナイトフライトのSQ636便(22:45シンガポール発/06:20羽田着)を利用。ナイトキャップとしてシンガポール航空ならではのカクテル「シンガポールスリング」を楽しんだ。
※記事中の機内食は、2018年3月の羽田=シンガポール線で提供されたもの