多くの人の支持を集めることが人気のバロメーターである一方、常に評価の目にさらされる宿命にあるのが著名人たち。それぞれの職業観の中で、どのような言葉を支えにして苦境を切り抜けているのか。連載「わたしの金言・名言」は、著名人たちが心の拠り所としている言葉を聞く。

第17回は、ニッポン放送開局70周年記念公演『鴨川ホルモー、ワンスモア』(4月12日〜29日東京・池袋のサンシャイン劇場、5月3日・4日大阪・梅田のサンケイホールブリーゼで上演。チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスほかでチケット発売中)で舞台初主演を務める中川大輔が登場。昨年は『コタツがない家』(日本テレビ)など9本のドラマに出演し、今年は1月クールのドラマ『彼女と彼氏の明るい未来』(毎日放送)、『パティスリーMON』(テレビ東京)に同時出演するなど、出演作が途切れない中川。大事にしている言葉は、“俳優”として生きる覚悟を感じるものだった。

  • 中川大輔

    俳優の中川大輔

ドラマ『拾われた男』の台詞に気付かされたこと

僕が心に留めている言葉は、ドラマ『拾われた男 LOST MAN FOUND』(22年、NHK)での台詞。仲野太賀さん演じる俳優を目指す主人公が、北村有起哉さん演じるお芝居の先生に「どうしたら芝居ってうまくなるんですかね」って聞くシーンがあって。そしたら先生が「ちゃんと生きるしかないんだよ」と答えるんです。確かにそうだなと、気付かされました。

俳優は、自分をさらけ出す仕事。お芝居と言っても、人間が人間を見るわけだから、真っ当に生きていないと、心の汚れた部分や普段の行いの悪さがにじみ出てしまう気がするんです。だからちゃんと、皆さんに好いてもらえるような生き方をしなきゃいけないなって。自分がやりたい役に嘘偽りなく向き合えるようにちゃんと生きていく、究極、これなんだなと感動しました。単純なようで難しくて、ハードルが高いのですが、気を抜かず、ちゃんと生きていきたいと思います。悪い役を演じる場合は人の良さが出ないほうがいいので、そこは俳優の難しいところですが。そのシーンはスマホで撮って、いつでも見返せるようにしています。

  • 中川大輔
■中川大輔
1998年1月5日生まれ、東京都出身。2016年に行われた「第31回メンズノンノモデル公開オーディション」でグランプリを獲得し、雑誌『MEN'S NON-NO』専属モデルとしてデビュー。『仮面ライダーゼロワン』(2019年)の迅役で人気を博した後、テレビドラマを中心に活躍を続ける。近年の出演作に『花嫁未満エスケープ』、『舞いあがれ!』、『大奥「5代・徳川綱吉×右衛門佐 編」』、『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』、『お笑いインスパイアドラマ ラフな生活のススメ』、『この素晴らしき世界』、『くすぶり女とすん止め女』、『コタツがない家』など。2024年はドラマ『パティスリーMON』、『彼女と彼氏の明るい未来』に出演。