雑煮に入れるのは角餅か、丸餅か、アンケート調査を実施。結果を都道府県別のランキング形式でご紹介します。

雑煮は、地域の特性を色濃く映し出す縁起物。どの地域でどのような雑煮が食べられているのでしょうか。本記事では「東は角餅、西は丸餅」の実態と、その理由などを紹介します。

お雑煮に入れる餅の種類は?

  • 角餅と丸餅どっちを使う?

また、お雑煮に入れる餅の形について聞いたところ、以下のような回答を得ました。

角餅…2,787人(57.3%)
丸餅…1,628人(33.4%)
餅を入れない…75人(1.5%)

【角餅か丸餅】県別比較表

雑煮に入れる餅が「角餅」なのか「丸餅」なのか、回答した人の居住地を都道府県別に見ると、以下のようになりました。

順位 角餅 丸餅
北海道 125 33
青森県 40 21
岩手県 20 8
宮城県 72 16
秋田県 17 5
山形県 22 9
福島県 34 5
茨城県 108 12
栃木県 57 8
群馬県 56 8
埼玉県 250 47
千葉県 200 28
東京都 452 96
神奈川県 349 63
新潟県 76 4
富山県 36 8
石川県 19 13
福井県 1 25
山梨県 22 3
長野県 48 6
岐阜県 51 5
静岡県 102 18
愛知県 264 50
三重県 40 20
滋賀県 13 40
京都府 25 101
大阪府 87 297
兵庫県 45 153
奈良県 17 49
和歌山県 3 22
鳥取県 5 15
島根県 3 15
岡山県 12 44
広島県 8 58
山口県 5 31
徳島県 4 13
香川県 3 24
愛媛県 8 31
高知県 12 2
福岡県 23 105
佐賀県 1 11
長崎県 7 26
熊本県 4 29
大分県 2 15
宮崎県 4 12
鹿児島県 24 11
沖縄県 11 13

※単位(人)

調査時期: 2023年11月25日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計4,867人(男性: 3,544人、女性: 1,323人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート

角餅は北海道や東北、北陸、関東など、主に日本の東側の地域で親しまれているようです。また丸餅を入れると答えた人は関西や九州の地域が多く見受けられました。

「東は角餅、西は丸餅」というのはなぜ?

今回のランキングはマイナビニュース会員が対象のアンケートによるものですが、雑煮の餅は一般的にも「東は角餅、西は丸餅」と言われています。なぜこうなったかには諸説ありますが、丸い形だった餅が東側の地域で江戸時代から四角い餅に変化したという説が一般的です。

神様へささげる鏡餅が丸いように、もともと餅は丸餅が正統とされています。そこには円満な暮らしへの願いも込められているそう。

一方、人口の多かった江戸では、一つひとつ手で丸めて仕上げる丸餅より、平たくのして一気に切り分ける角餅のほうが便利だと広まっていったのだそうです。この「のす」作業が「敵をのす(倒す)」に通じたことも、武士社会の江戸で好まれるようになった一因だとか。

なお、東と西の中間地点は岐阜県の関ヶ原付近だとされ、その周囲の地域では角餅も丸餅も食されているようです。

お雑煮の味付けは?

また、お雑煮の味付けについてもアンケートを行いました。

すまし汁…2,927人(64.9%)
白味噌…747人(16.6%)
あずき…360人(8%)
淡色みそ…305人(6.8%)

だし、醤油などで作るすまし汁が、一番多い結果になりました。

雑煮のこだわり、エピソードは?

ここからは、どのような雑煮が楽しまれているのか、アンケートに寄せられたコメントからいくつかご紹介します。雑煮は千差万別の料理だということが、ここからも分かりますね。

雑煮の具、味付けについて

「具は、切り干し大根、油揚げ、糸こんにゃく、豆腐、いくら。醤油で味付ければ最高です」(65歳男性/宮城県)
「餅は必ず2個と決まっています。我が家では必ず伊達巻きを入れます」(62歳男性/埼玉県)
「福井では餅以外何も入れないので、他の地域で餅以外の具材が多いのにびっくり。米どころのせいなのか」(60歳男性/福井県)
「しっかりだしをとり、白味噌ベースでいただいています。仕上げの三つ葉と柚子は欠かせません」(53歳女性/京都府)
「三が日の雑煮は丸餅で作り、以後は角餅で作ります」(72歳男性/三重県)
「すまし汁、味噌、白味噌の3種類を3日間、味を変えて食べています」(35歳女性/兵庫県)
「雑煮は丸餅であずき仕立て。餅とえびさえ入っていればいいです」(41歳男性/福岡県)
「熊本ではするめでだしをとる。地域によっては餅の上に砂糖をかけたり、納豆をのせたりすることも。わが家は里芋です」(61歳女性/熊本県)

雑煮に関するエピソード

「実母と義母からの味を受け継ぎ、良い所をまねた中間の味付けにしている。家族や親戚が集まるので大量に作り、正月三が日は仏壇、神棚、天神様にお供え。下げたものは男性か既婚の女性が食べる」(54歳女性/富山県)
「母が作ってくれたちくわと三つ葉入りのお雑煮が食べたい、懐かしいです」(51歳女性/愛知県)
「義母が香川県出身で、お雑煮は餡餅で作ると聞いてとても驚きました。甘じょっばくて美味しいそうですが、自分で作ってみる気にはなれません」(58歳女性/和歌山県)
「結婚するまでは合わせみそだったので、夫が甘い白味噌だったときはびっくりした」(63歳女性/大阪府)
「親父の作るお雑煮が一番美味しかった。他界したので正月にもう食べることできないと思うとさみしい」(54歳男性/沖縄県)

雑煮の餅は「焼くか煮るか」もポイントに

雑煮について、アンケート結果を元にご紹介してきました。今回のアンケートでは、「角餅を入れたすまし汁」の雑煮を食べる方が多いという結果に。角餅か丸餅では、日本の東側の地域で角餅、西側の地域で丸餅が多く食べられているようです。香川県を含む一部地域では、あんこの入った丸餅を入れるのだとか。

雑煮のレシピは「実家の味を引き継いでいる」という方が多い一方、「結婚や引っ越しで移り住んだ地域に合わせて作っている」という声も多く、「試しに作った雑煮が美味しかったから作り方を変えた」という声もありました。

「角餅か丸餅か」の他に、「餅を焼くか煮るか」についてこだわっている方が多いことも分かりました。「お餅は溶けるくらいやわらかくして食べるのが好み」という方もいれば、「餅は焦げ焦げになるまで焼きます」という方も。

新年の縁起物である雑煮。知れば知るほど地域の特性や人の好みが分かり、おもしろいですね。あなたが食べる雑煮はどんな雑煮ですか?