毎年10月14日は鉄道の日です。1872年10月14日に日本で最初の鉄道が新橋~横浜間に開通したことから、1994年に制定されました。この日の前後には、普段は見ることができない鉄道施設の一般公開などのイベントが集中します。そこで今回は、一般公開イベントにおける撮影の方法について解説します。
前回、ヘッドマークが付いたSLマイコミ号(架空です)を撮影して、ヘッドマークに興味を持ったテツヤくん。Webサイトからの情報で、「次の土曜日、マイコミ鉄道の車庫で『ファミリー大集合ウキウキ鉄道まつり(架空です)』がある」と知りました。会場では、記念ヘッドマークを付けたSLマイコミ号が展示されるようです。明らかに子供向きと思われるイベントですが、テツヤくんはどうしても行ってみたくなりました。なぜなら、テツヤくんは子供の頃、行きたい鉄道関連のイベントがあったものの、お父さんの休日と合わなくて連れて行ってもらえなかったということがあったからです。……なんとなく鉄道撮影を始めたテツヤくんでしたが、実は子供の頃から鉄道が好きだったのですね。
イベント当日、会場はやはりファミリー客で混雑。お目当てのSLマイコミ号の前には記念撮影の親子連れがたくさんいて、満足のいく写真がなかなか撮れません。列車だけを撮影したい人は、じっと人が途切れるタイミングを待つしかありません。イベントでも線路端と同様に、待つことが必要だったのです。
このようなイベントは、鉄道会社がより多くの人に鉄道への理解を深めてもらい、好きになってもらいたいという目的で開催します。イベントは子供をターゲットとしているものが多く、また「車両撮影会」などと銘打っていたとしても、天候に左右され、なかなか自分の思い通りには撮影できないものです。ですから、「普段見られないものを見るのが目的。無人の写真が撮れたらラッキー」くらいのスタンスでいることが大切です。普段は一瞬で走り去っていく列車のスケール感を間近で感じながら、多少人物が入ることを覚悟の上でじっくりとフレーミングしてみることは、撮影技術の向上にもつながります。ただし、前回解説したとおり、肖像権のことは頭に入れておいてくださいね!
前述の通り、9月から10月にかけては鉄道関係のイベントが多く開催されます。告知はそれほど大々的ではありませんから、Webサイトや駅のポスターをマメにチェックしましょう。中には参加者を親子に限定したものや、事前に申し込みの必要があるものもありますから注意して下さい。
そして、ちょっと気の早い話ですが、イベントラッシュの10月が終わると鉄ちゃんの活動のチャンスはぐっと少なくなります。日照時間が短くなり、太陽も高くまで昇りません。場所によっては、線路付近に日が当たる時間が短くなってしまうことも考えられます。また、観光用の列車はオフシーズン期になり、運休したり本数が減ったりします。チャンスは涼しくなりはじめてから紅葉まで。秋は計画的に鉄ちゃん活動をしたいものです。
ミニ情報
秋の臨時列車 元祖トロッコ列車「清流しまんと号」
JR四国の予土線は、四万十川に沿った非電化のローカル線です。行楽シーズンにこの路線を走る「清流しまんと号」は、JRグループで最も古いトロッコ列車。屋根のない貨車を改造したものなのです。四国の秋はおおむね暖かくおだやかですから、トロッコにぴったり。2007年秋は、10月、11月の週末を中心に運行されます。