新幹線は長い場合16両にも
「鉄道撮影に挑戦したいけど、なかなか機会がない……」。そんな方にとっていいチャンスになるのが、旅行や出張時の新幹線ホームです。鉄道の花形とあって記念撮影に寛容ですから、多くの人が新幹線の撮影を楽しんでいます。しかし、そこが駅であることを忘れるわけにはいきません。今回は、新幹線ホームでの撮影の注意点について解説します(記事中に登場する鉄道名や駅名などの設定は架空です)。
ある日テツヤくんは、仕事で2週間の長期出張を命じられました。交通手段は新幹線。鉄道撮影を始めてから、初の新幹線乗車です。「駅で新幹線を撮影したいし、土日が入るから向こうでも撮影できるかな。一眼レフを持って行こう」と、仕事を忘れ気味。荷物も多くなりました。
新幹線が止まる大きな駅でエスカレータを上がると、そこは9号車の停車位置。混雑に加えてホームも長く、左右どちらを見ても列車の端が見えません。「新幹線って何両だっけ? 前はどっちだろう?? 」。キャリーバックを引いて、人の間を縫いながら先頭車両に来たつもりでしたが、そこは最後尾。赤いテールランプがついた新幹線の顔はなんだかイマイチ……。それでも、記念撮影の人でいっぱいでした。テツヤくんにはまた16両分歩く時間もなく、妥協するしかありませんでした。
新幹線は、長いもので16両編成。大きな駅は一日中混雑しています。なるべく迷惑にならないように顔をスムースに撮影したければ、先頭部に一番近い改札口からホームに入るのがポイントです。
余談ですが、大きな駅で最も便利な改札口やエスカレータは、グリーン車があるホーム中央部に出ることが多いです。いずれにせよ、新幹線ホームで撮影したければ、十分な時間の余裕をもって行動しましょうね。
そのとき、向かいのホームに列車が到着するというアナウンスがありました。「ズームで先頭部を狙えばいいんだ! 」とひらめいたテツヤくんは、柵から身を乗り出しました。列車はまだかなり離れたところにいましたが、「柵から離れて下さい!! 」とすぐ駅員さんに注意されてました。「まだあんなに離れているのに厳しいなあ」としぶしぶ撮影を諦めたテツヤくんでした。
運転席からは、遠くの前方がとてもよく見えるそうです。こちらが「まだ接近していないから安全だ」と思っていても、ホームから人がはみだしていると運転士さんがびっくりしてしまいます。心理的な負担を引き起こすような行為を、安全とは言えませんよね。
駅での撮影マナーについては第7回もご覧ください
【連載】鉄ちゃんの掟 - 初心者のための鉄道撮影マナー講座 第7回 駅で時々見かける"危険な鉄ちゃん"とは
車内でもカメラをいじりながら目的地に到着したテツヤくん。しかしここで、菓子折りが入った紙袋をどこかに忘れてきてしまっていたことに気がつきました。置いてきてしまった場所は駅か車内かもわかりません。移動中の紛失物は届け出るところが数カ所に及び、とても面倒。長距離を移動する新幹線ではなおさらです。「○○のついで」という撮影には、落とし穴があることも心しておかなければなりません。夢中になりすぎずに、楽しい撮影、いや、出張にしたいですね。
ミニ情報
ついに公開された3月JRグループダイヤ改正の情報
3月13日の富士 / はやぶさの廃止が何かと話題ですが、その翌日、3月14日のダイヤ改正が鉄ちゃんにとっては重要な情報です。「のぞみ」が1時間に最大9本の運転になったり、禁煙車がまた増えたり、時代の変化を感じる事項もあります。身近な路線でどんな変化があるのか、いち早くチェックしておきたいですね。