今週は、週初めの通勤・通学時間帯に発生した大阪北部地震に始まり、現在もなおライフラインが復旧していないなど心配が続いています。被災地の方皆様には心よりお見舞い申し上げます。

東日本大震災から早7年、その後熊本地震など、決して少なくない頻度で大地震は発生しています。備えがあっても憂いは訪れます。

大規模な震災時は金融機関の対応も柔軟

震災の場合、規模にもよりますが、金融機関もかなり柔軟な対応をしてくれます。災害救助法に基づいて印鑑や通帳、キャッシュカードを紛失した場合でも、本人確認ができれば引き出しに応じてくれます。

家事で焼失、水浸しなどで、お札が破損してしまったということもあります。この場合は、残りの面積によって補償が違いますが対応してもらえるので、破片も集めて再現しやすくしておきましょう

  • 破損してしまった紙幣の交換(※模様が確認できれば重さにかかわらず同額と交換してくれる場合もあります)

また、住宅ローンの金利優遇、災害復旧のための融資などの対応もあります。一部の金融機関のURLをご案内しますが、まずはご自分が取り引きしている金融機関に相談してみましょう。

保険会社も対応が迅速

震災の場合、保険会社は対応が迅速です。早々に対策本部や対策室を設置し、コールセンターの人員を増やし、問い合わせ対応を強化しています。損害の補償だけでなく、保険料払込猶予などの対応もあります。こちらも一部の保険会社を案内しますが、適用される地域の人はご自分が加入されている保険会社に問い合わせてみてください。

最近は口座開設はもちろん、問い合わせすら本人でないと受け付けてもらえないケースも多いので、皆さんも本人確認書類はどのようなものかはわかっていると思います。皆さんになじみのあるのは免許証やパスポート、健康保険証などがありますが、そのほかにも年金手帳、住民登録カードなどがあります。ただし土砂や水害で流され手元にないというケースも少なくありません。このような場合はどうなるのでしょう。

金融機関によって対応は違いますが、住所、電話番号、生年月日、口座残高、取引履歴や、郵便物や病院の診察券など複数の提示や回答で認めてもらえる場合もあります。

今回は大阪北部ではありましたが、ここまで述べてきたことは、いつ自分の身にふりかかるかもしれません。現物がなくても本人確認ができれば、金融機関や保険会社は極力柔軟な対応をしてくれます。逆にそれらが揃っている人ほどスムーズに手続きが進みます。

通帳や保険証券の現物はむやみに目のつくところには置いていないでしょう。したがって預金通帳の口座番号記載ページ、保険証券の証券番号が記載されている面、その他本人確認書類のコピーを何枚か用意し、緊急持ち出し袋に入れておくのも一案です。まだ備えができていない人は、ぜひこの週末にでもやっておいてください。

鈴木暁子

鈴木暁子

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)。キャリアコンサルタント。FPオフィス Next Yourself代表。
「多様化するライフスタイルに応じたライフプラン・マネープランづくりが重要」という視点で、企業、自治体、大学オープンカレッジなどで年間約50回のセミナー・講演を行うほか、新聞、雑誌・WEBなどで精力的に情報発信をしている。
「お金はいい使い方をしてこそ活きる」をモットーに、これまでに数百件の家計診断のほか、 個人コンサルティングも行っている。資産運用、ライフプランニングを得意とし、特に共働き夫婦のライフプランニング、リタイアメントプランニング、高齢期のお金と住まい、相続設計に力を入れている。著書に『100歳まで安心して暮らす生活設計』(実業之日本社)。