みなさん! こんにちはmami+です。
私は普段LEBECCA boutique(レベッカ ブティック)という古着屋さんで働いています。こちらのお店は、vintageだけではなく、vintageから着想を得たオリジナルアイテムも多数販売しているお店です。またこのお店では、スタッフがオリジナルアイテムの企画を担当するチャンスもあるんです。そしてこの度、なんと普段販売員として働く私が商品の企画から販売を任されることとなり、7月18日から予約開始いたします!!
そこで今回は、私がオリジナルアイテムの企画から販売するまでのお話をしていきたいと思います!
【1】まずはコンセプトを決める
私は普段、店頭スタッフとしてお店に立ち、お洋服を選ぶお手伝いをしていますが、デザインのプロではありません。そんな私が商品を好きなように作って良いと言われることはチャンスであり、同時に大きな責任を担っているということです。
企画の進め方ですが、まずコンセプトを決めていきます。
今回は、私が春に企画したアイテムのリニューアルバージョンとなります。なので、前作の形は残しつつ、商品の販売時期となる秋に馴染む形にしていくことにしました。
「懐かしの街とワンピース」のコンセプトは「風に揺れて、溶けそう」、「故郷への想い、儚さ」。そして今回は、春から秋への変化にあわせ、テーマのなかでも「想い」に着目。秋の新商品ではしっかりと「想い」が伝わるように重みのある生地感を採用しました。
【2】デザインと生地選び
企画を頂いた時私は、「形はそのままにして、全くの別物の商品として提案していきたい」と思いました。そのため、前回使用した無地の生地とは異なる柄物の生地、なかでも私が好きな、「ジャガード生地」や「ゴブラン生地」(※)の素材に絞って生地見本を送ってもらいました。
ゴブラン生地:主に花やペイズリー調の伝統柄、織物のこと
最初の生地見本では欲しいイメージのものが見つからず……無理を言って別のものをメーカーさんに依頼。そして再度送っていただいた中から選んだ生地がこちら。
ゴブラン織のしっかりした生地。ここまで厚みのある生地はブランド全体でもなかなか扱ったことがないので、どんな風になるかは分からず内心ドキドキ。
デザイン画はこちら。
春のアイテムとは違い、胸元のラインによって切り替えを付けました。贅沢にも生地を2つ使用するデザインに。
前回好評だった裾のレースを別の種類に変更し、タッセルのベルトはそのままに。全体のデザインは、春に出たワンピースと同じシルエットで提案。デザイナーアシスタントからメーカーさんに依頼をしてもらい、ファーストサンプルが上がるのを待ちます。
【3】生産しないと生地がない!?
しかしそんななかで問題が発生。なんと第一希望で提出した生地の在庫がないという事件が……。ヤバイ……あの生地で作ることしか考えていなかったので詰んだかもしれない。どうしよう……と思っていたところ、メーカーさんから「新しく生地を作る事が可能です。」との一言が。
こんな状況なので、各所に無理を言いつつお願いし、生地から生産してもらえることになりました! しかしその代わりに、普段私たちが販売しているオリジナルアイテムよりも全体の枚数が少なくなってしまうそうです。それでも、やっぱりこの生地がいいので承諾しました。
【4】いよいよ形になった姿を確認!
最初に上がってきたサンプルがこちら!
ほぼ理想通りでした! 春にファーストサンプルを貰った時は、大きさを少し変えたり微調整が必要だったりしました。ですが、今回はサンプルを修正することもなく、このまま販売分の生産をしても良いと思える出来栄えでした。ただ一点気になることが。柄が横に流れている感じが、私的には不自然で気になってしまいました。
しかし、身頃の柄の向きを袖のように縦に変更すると、生地裁断の都合で商品の生産枚数が減ってしまうとのこと。正直、多くの方に着てもらいたいし、元々少ない量でしか使えない生地を減らしてしまうのは勿体無い……ですが、自分が納得いかないままお客様の手にわたる方は嫌だったため、柄の方向を変更してもらうことに。
【5】最終サンプルが……なんか違う!
そしてついに生産に入る前の最終サンプルがきました。ここでは大幅な変更はできませんが、ちょっとした調整だったら可能な段階になります。
今回私が作ったワンピースは青と赤の2色。ファーストサンプルは1つのアイテムに対して1色のサンプルしか確認できません。そのため赤色のワンピースとご対面するのは初めて。現物を見てみると……身頃の切り替え部分の色がなんか合わない……!
この違和感は、私が色を指定した時に、合わせる色を間違えてしまったために起きてしまいました。そして今から切り替え部分の色を変えられるか、デザイナーアシスタントに相談。メーカーさんに掛け合ってくれることに。
商品として上がってくるまで気が抜けない。この時、デザイナーのお仕事って本当に大変なんだなと、そして多くの人に動いてもらい、自分のこだわりを貫いたのだから、絶対に多くの人に届けたいと、強く感じました。
販売員の仕事だけをしていた時には、お洋服がどのようにしてできるのか、そしてどんな過程を経てできたものを販売しているのかが分かりませんでした。こうやって自分で作るという経験をしたことで、仲間の仕事を理解し、様々な過程を経て出来上がった物を販売しているのだなと実感することができました。本当にすごい体験。
今回はここまでですが、後編は商品の撮影をメインに話していきたいと思います。デザインとは違った視点から、仕事に対する意識が変わったことをお話ししていきますのでお楽しみに。以上、今回の学びでした!