女性の就業率が年々上昇傾向にある今、筆者の周りでもパワフルに働いてキャリアアップしているワーママ達がたくさんいらっしゃいます。筆者は専業主婦から未経験の仕事に就き、現在は子育てをしながら自営業者として活動しています。

筆者が考えるキャリアアップとは、確実に今のポジションより仕事の地位や収入を上げることですが、女性のキャリアアップにはさまざまな困難な状況がありますよね。そこで今回は、キャリアアップしているワ―ママたちが、どのようにしてキャリアアップしたのか、具体的な行動を3つの要素に分けて考えてみました。

  • 子育てとスキルアップを両立させる秘訣は?

キャリアアップは何のために

筆者は下の子が1歳になったのを機に生活費のために働き始めましたが、何年か働いた結果、より専門性の高い仕事がしたいと思い起業しました。キャリアアップと一言で言っても、人によってその目標や目的は異なります。あなたがキャリアアップしたい理由は何でしょうか。

・パートやアルバイトだったが正社員になって収入を上げたい
・与えられた仕事だけでなく、企画やマネジメントに携わってやりがいを感じたい
・仕事の専門性を高めて、より高度な仕事内容でお客様や社会に貢献したい

など、キャリアアップをイメージだけで捉えずに、自分が『何のために』『誰のために』『どうしたい』のか、思いや理由を一度しっかり考えてみましょう。

周囲の方や家族の協力を得る

(1)家族の協力を得る

筆者はまず、家族や友人、会社の同僚や上司に自分がやりたいことを伝えてみました。キャリアアップするときには、新たに学ぶことや資格試験の勉強時間の確保、家事や育児に対する周囲の理解と協力が必要になります。

筆者の家では、家族が家事をできるようにするため、初めは一緒に台所に立つことやたくさん褒めることを意識しました。このときに注意したのは、やってくれた仕事に文句を言わないことです。料理の味が好みじゃなくても洗濯物がしっかり伸ばされていなくてもそこは許容し、相手が子どもでも大人でも同じように感謝して、その分自分は仕事に専念しました。

(2)上司や経験者の協力を得る

会社の上司やキャリアアップしたい仕事の経験者に対しても、目的や進みたい方向を事あるごとに伝えるようにしていました。そして勤務先の上司や先輩はもちろん、現在はオンラインで遠方の方ともお話することができますので、積極的に仕事に関する重要なヒントや、自分ではわからなかったキャリアアップの方法を教えていただけるよう心掛けました。

他にも、自分よりも1つ上の役職の方に、どのような仕事で評価されたのか、どのようなタイミングで出世したのかなどの詳しい話を直接聞くことができれば、より具体的な行動につながると思います。

キャリアアップには「1人で達成する!」という意気込みだけでなく、積極的に周りの人たちに「助けて」と言うことも、とても必要な要素だと言えます。

時には鈍感力も発揮する

(1)仕事は鈍感力を発揮して聞きまくる

仕事に慣れてくると緊張感が減り、さぼり方も上手になってくることもあります。そんなときは今まで当たり前に行ってきた仕事内容にあえて疑問を持ち、

・お客様のご要望などを改めて聞いてみる
・上司に仕事のやり方があっているか確認してみる
・疑問に思っていたことを洗い出し解決する

など、「今さらそんなこと聞けないよ」と思うようなことも、鈍感なふりをして聞くようにしました。フィードバックすることで仕事内容の改善や、丁寧さ・気配りに注意し直すことができるため、他の方との差別化もできるでしょう。

(2)人に対して鈍感でいいときもある

仕事をしている中で切っても切れないのが、人間関係におけるストレスだと思います。例えば、上司に叱られてばかりだと、「こんなに頑張っているのに認められない!」など、つらい気持ちになって落ち込むことがあるかもしれません。

筆者も何度もつらい思いをしてきましたが、ここでも鈍感力を意識しました。怒られていることをマイナスの感情のまま受け止めずに、一旦冷静になって叱責内容を受け入れるよう心掛けました。そのうえで、例えば「自分が上司や経営者だったら、次の一手は何をするだろう」と考え、具体的な改善への取組みを行うなど、仕事に対してプラスの気持ちで向かうように気をつけました。

このように、前向きでちょっと鈍感な気持ちで受け取れるように心掛けると、1つのことで落ち込まずに「次に進むクセ」ができてきます。

鈍感というと悪いイメージの方もいるかもしれませんが、時には敏感であることが仕事の邪魔になることもあります。1つの事象にこだわりすぎず、失敗してもくよくよしない鈍感さも時には必要です。

行動できることが一番の要素

(1)計画だけで終わっていませんか?

キャリアアップを考えたとき、目標を決め計画を立てることはとても大切ですが、計画したまましばらく状況が変わっていないということはありませんか。

計画が進まない理由の1つに「期限を決めていない」があります。ゴールの期日を決め、そこからやるべきことを逆算していきましょう。資格取得や転職における年齢の制限なども考慮すると、より達成しやすくなります。

筆者の場合はまずやることが決まったら、日にちを確定させます。具体的なことが何も決まっていない状態でも日にちを決めて会場の予約などをしてしまえば、やらざるをえなくなります。資格試験なども受験しようと思ったら申込・支払いをしてしまいましょう。後は期日までに勉強あるのみです。

(2)短期の目標が決まったら、即、行動する

目標が決まったら即、どうしたら「できるか」を考えて行動します。行動を起こすと失敗や困難なことはたくさん出てきますが、それはゴールまでの途中経過でしかないので『落ち込む』よりも『反省する』ように気をつけています。

予測できなかった問題をたくさん経験して、失敗の財産をたくさんストックしていくことで失敗が減り、経験豊かな質の高い仕事ができるようになっていくと考えています。

キャリアアップしているワ―ママ達を見ていると共通していることがたくさんあり、その中の1つが「即、行動する」ことです。何かを成し遂げたいと思ったときや問題解決の際に、それに着手するスピードが速いことがとても重要な要素です。

キャリアアップの要素のまとめ

キャリアアップしているママ達を見ていると、みなさんとてもパワフルで、仲間を大切にしながら仕事をしています。それは、その方たちが強くて何でもできる人だったわけではなく、

・できないことは協力してくれる人にお願いして感謝すること
・嫌なことや失敗があってもくよくよしないと決めていること
・「まずは行動あるのみ」とチャレンジしてみること
・自分が決めたゴールまではあきらめないこと

などを自分なりに心に決めて仕事に向き合っているからではないかと思います。「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、本当にこんな風に仕事ができれば、キャリアアップのチャンスは今よりもたくさん見つけられるのではないでしょうか。

イラスト=オオノマサフミ