毎日の家計管理に頭を悩ませていませんか? 身近な食品の値上げについても耳にするし、10月からは消費税も10%に上がりそう。今まで通りに生活していても支出(支払うお金)が増えてしまいます。
家計を改善するには、支出を抑えることが大切ですね。でも、気持ちまで擦り減ってしまう節約では楽しくないし、長続きしません。筆者は離婚をして仕事が変わり、収入が激減しました。当時の家計は当然、大赤字です。赤字家計を何とかしたいと、いろいろな方法を試してみました。節約を検討している方は、ぜひご参考にしてみてください。
支出抑制のポイントは固定費の見直し!
筆者は、離婚を機に市営住宅に転居しました。携帯電話は格安スマホに切り替えて、無料通話アプリを使うようにしました。また、電力会社も切り替えて、日々の使い方も見直しました。省エネの方法については、経済産業省資源エネルギー庁のHPに具体例がいろいろと掲載されています。ネット代はケーブルテレビ込みで契約していましたが、テレビはあまり見ないので、別会社のWi-Fiのみに切り替えました。独身時代から入りっぱなしだった保険も見直しました。
その結果、毎月の出費額を大きく減らすことができました。
節約術のコツは固定費の見直しにありますが、固定費と変動費の違いはご存知でしょうか。固定費は、毎月必ずある一定額の支出です。住居費や水道光熱費、携帯電話代などのように生活になくてはならないものですね。変動費は食費やレジャー費など日々(季節によっても)支出額は異なります。固定費は毎月必ず出ていくものですし、見直すと節約効果は大きいです。住居費の見直しは、それぞれのご家庭の事情もあるでしょう。住み替えは難しくても、住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済など、見直す余地はあるかもしれませんね。
見直す前に気をつけたいポイント
現在は、ガス・電力・携帯電話会社など、各社がさまざまなプランを打ち出しています。見直そうにも、「情報が多すぎて決められない!」という方も多いでしょう。
見直す前にまず気をつけたいのが、我が家はどれくらい使っているのかを知るということです。携帯なら通信料をどれくらい(何ギガ)使っているのか、電気やガスはどのくらい使っているのかなど、使用量によってお得なプランが固まってくるからです。敵を知る(最適なプランを選ぶ)ためには、まず己を知る(我が家の利用状況を知る)ことが重要ですね。
例えば、電気代を1年間のトータルでどれくらい使っていますか? 「我が家は夏の利用量が多いな」とか「日中は誰もいないから夜間の方が多いな」とか、ご家庭によって傾向があるのではないでしょうか。電力会社を変えなくても、料金プランを変更すれば出費を大きく減らすことができるかもしれません。
節約生活をゲーム感覚で楽しむ
固定費の見直しができたら、次は変動費を何とかしたいですね。「節約生活」と聞くと、食費を切り詰めたり、娯楽費を削ったりなど、何だか悲壮なイメージがわきませんか? なにも、家計を預かる主婦(主夫)だけが大変な思いをする必要はありません。家族みんなを巻き込んで、節約生活を楽しみましょう!
筆者は「楽しくなければ、続かない」をモットーに、娘も巻き込んで節約生活を楽しんでいます。例えば、「買い物は週に一度!」と決めるとストレスになるので、「買い物に行かなかった日はカレンダーに〇をつける」ことにしました。そうすると、カレンダーに〇が増えるのが楽しくて、買い物の回数も減らせました。
娘のアイディアを採用して、思わぬ効果も?
ある日、娘(小学3年生)に尋ねてみました。「この貯金箱にもっとお金を貯めるのに、何か良いアイディアある?」。そこで、娘が「いいこと、思いついた!」と教えてくれたのが次の方法です。自宅でのおやつ時に、キャンディなら1個につき10円、ドーナツとか大きいものなら50~100円を貯金箱に入れるというもの。
この方法には予想外の嬉しい副次効果もありました。普段は無意識に手を伸ばしていたおやつでしたが、お金を財布から出して貯金箱に入れるというアクションが必要になったことによって、回数が激減したのです! 結果、お菓子を買う頻度も減り、まだ目に見えるほどではないものの、ダイエット効果も手に入れることができました。
子どもの発想力というのは素晴らしいですね。我が家のマイルールを自分で決められることで、子どもははりきって考えてくれますし、大人では思いつかない奇抜なアイディアを貴方のお子さんも持っているかもしれませんよ。
楽しく続けられる自分に合った方法を見つけよう!
離婚当時、がむしゃらに節約しようとしていた筆者は、生活に必要なものを何もかも100円ショップで済ませようとしていた時期がありました。でも、安いからと不要なものまで買いすぎてしまったり、壊れてしまって結局高いものを買い直したりと、節約効果はあまり期待できませんでした。
100円ショップを上手に使いこなして節約効果を上げられる方もいると思いますが、筆者自身には合わない方法でした。主婦向けの雑誌やネット上にはさまざまな情報があふれています。でも、すべてを取り入れるのは難しいですよね。「いろいろと試してみて、自分に合った方法が見つかれば続けてみようかな」というぐらいの気楽なスタンスで、節約生活を始めてみませんか。
石村こずえ
証券会社や銀行のコールセンターで通算8年半で延べ7万件以上の顧客対応(金融商品や外貨送金、証券税制についての説明など)を行う。自身の離婚後、保険の見直しや節約術で赤字家計を改善し貯金を増やす。現在は税理士法人にて中小企業や個人事業主の経理や助成金などの業務を行いながら、「明るい未来のお手伝い」をモットーに、家計の見直しに悩む方への個別相談や講師、執筆業で活動している。マイライフエフピー認定ライター。
イラスト=オオノマサフミ