今年の中学受験シーズンもひと段落し、次の学年の方たちが本格的に準備を始める頃ですね。私立中学は、東京で約25%、大阪で約9%、全国で約7%が通っていますので、小学校高学年から中学受験を検討する方も多いのではないでしょうか。筆者の子どもは私立中学に進学していますので、よくご質問をいただきます。その中でも、今回は「塾代いくらかかる?」「中学受験って親も大変?」「働きながら子どものサポートどう乗り切る?」といった疑問について、筆者の経験をもとにご紹介します。

トータル費用は、約253万円!

中学受験にかかる費用はご家庭によって違ってきますが、筆者の子どもは小学4年生から塾に通い中学受験をしました。4年生から6年生までの3年間のトータル費用は、ずばり約253万円。あくまで筆者の場合ですが、かかった費用の内訳をご紹介します。

  • 子どもの中学受験、いくらかかる? 仕事との両立と乗り越え方(写真:マイナビニュース)

    中学受験、何にいくらかかる?

我が家は、子どもが「塾に行きたい」と言い出したため、小学3年生から塾選びをスタートし、最寄り駅に近い大手進学塾に入塾しました。4年生では3教科(国語・算数・理科)を選択し、週3回の塾通いと春・夏・冬の講習を受けました。5年生から社会が加わり、同じく週3回の塾通いとなりました。

4年生では「思ったほど塾代がかからないかも」と感じたのですが、6年生では志望校別の「特訓コース」にも通うことになり、塾代が一気に増えることになりました。結果、6年生の1年間では約110万円の塾代がかかり、3年間の塾の費用は合計約235万円に。「塾代は6年生にかかる!」を心得えておきましょう。

塾代以外にも「交通費」「受験費用」「教材費」が

塾代以外にも筆者の場合は、「交通費」「受験費用」「教材費」で約18万円かかりました。交通費は、4年生・5年生では自転車で塾に通っていたのでかからなかったのですが、6年生になると「特訓コース」などは別の教室で開講しており、電車代が1年間で約5万円かかりました。

また、受験費用は合計5回の受験を申し込み、写真代(1,500円)と当日の交通費なども含めると約10万円かかりました。ほかにも、志望校の赤本2冊や社会の勉強のための「歴史のまんが本」18冊など、教材費などに約3万円かかりました。

親ができるサポートとは?

はじめての子どもの受験。受験は子どもがするものですが、親としてできることはしてあげたい! でも、働きながらサポートができるかどうか不安といった声も寄せられます。

筆者はシングルマザーで中学受験の経験もありませんでしたので、子どもが本気で「中学受験をしたい」と言い出したときに「子どもの気持ちを応援してあげたい!」と思う気持ちと「子どものサポートを私ができる?」と不安な気持ちにもなりました。

ご家庭の状況はそれぞれですが、仕事をしながらの子どものサポートを、どこまで何をしたらいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。筆者が仕事をしながら「やったこと」をご紹介させていただきます。

  1. 塾関連
    塾選び、入塾の申し込み手続き、塾弁作成、遅い時間帯のお迎え、塾の説明会参加や進路相談など

  2. 受験校・志望校選び
    中学校のオープンキャンパスと説明会の参加、プレテスト申し込みと当日の付き添い(2校)、受験校の話し合い、受験申し込み(3校・5回)、試験当日の付き添い(3日間)、合格後の入金など

  3. その他子どものサポート
    子どものメンタルケア、中学受験経験者(ママ・子ども)への相談や情報収集、教材など本屋さんへの買い物など

小学4年生・5年生はおもに塾弁作りと夜の塾へのお迎えが親の役目でしたが、6年生になると志望校選び・プレテスト・受験の申し込みや試験当日の付き添いなど、親の役目は一気に増えました。

親子のスケジュール管理とメンタルサポート

6年生になると親子共々忙しくなります。筆者は土日も仕事が入ることもありましたので、仕事や塾の予定、申込期限などのスケジュールを、時間単位で書き込める用紙に記入し合い日時を確認し合ったり、声を掛け合ったりして乗り切りました。忙しいママだからこそ、ひとりで抱え込まず、声を掛け合えるようにしましょう。

また、子どものメンタルケアも心配ごとのひとつでした。筆者の子どもの場合、5年生に塾の問題が難しくなったこともあり、少しイライラしている様子でした。そのような状況の中、志望している中学校のよくない噂をインターネットで子ども自身が見てしまい、勉強に手がつかなくなっている様子でした。

そんなときに、1学年上の経験者に親子で話を聞いたことで子ども自身スッキリしたようでした。また今後の勉強方法についても、私立中学1年生の子が教えてくれたこともあり、積極的に勉強をするようになりました。子どもが落ち込んでいるとき、母親からいろいろと声をかけてもなかなか改善しなかったので、経験者からの話を親子で聞けたことはとても助かりました。

受験は子どもがするものですが、親として心配なことは受験経験者や身近で応援してくれる人に相談しながら、子どものサポートをしてくださいね。

マイライフエフピー代表 加藤葉子

子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、ファイナンシャルプランナーの育成にも力を入れている。マイライフエフピー認定ライター。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」

イラスト=オオノマサフミ