洗練されたインターフェイスで、
今やるべきことが明確に【2009年9月号掲載】



スペック

[発売元] ネットジャパン [価格] パッケージ版:8,190円、ダウンロード版:5,460円(シングルライセンス)/8,190円(ファミリーパックライセンス) [OS] Mac OS X 10.4.11以上(iCalとのシンクロやEメールとのリンクのためにはMac OS X 10.5以上が必要)、Snow Leopard(Mac OS X 10.6)にも対応 [メモリ] 1GB以上 [HD] 20MB以上 [備考] PowerPC G4/G5、およびインテルCPUを搭載したMacに対応。iPhoneやiPod touchとの同期を行う場合、Wi-FiをサポートしているMacが必要(iPhone版は、App Storeにて別途販売:1,200円) [掲載号] 「Mac Fan」2009年9月号

OVERVIEW

「Things Mac」のパッケージは、Macらしいシンプルデザイン

昨今、個人の生産効率の向上を図る「ライフハック」が流行しているが、その中でも人気のタスク管理手法にGTD(Getting Things Done)がある。簡単にいえばGTDとは、すべてのやるべきことを整理し、今(今日)すべきことを明確にして、効率的に仕事を片付けていく手法だ。本製品は、このGTDをMac上で行うためのアプリケーションだ。

基本的な使い方は、ToDo(やるべき仕事)を次々に追加し、そのToDo項目を「今日」「次」「未定」などのカテゴリに仕分けして、すぐやるべきことを明確化していく。ToDoは、アプリケーション上で追加するだけでなく、他のアプリケーションで作業しているときでも、キーボードショートカットで入力ウインドウを呼び出して登録できる。

(1) 必要な情報をまとめて登録
「Things Mac」上でのToDo入力画面。ToDo項目には、テキストメモ、ファイルやWEBページへのリンクなどを埋め込める。必要な情報を埋め込んでおけば、作業時に探し回らなくて済む

インターフェイスは、MailやiTunesなどに似たシンプルなもので、GTDという言葉を知らなくても、使い方や操作を直感的に修得できる。そのうえ、ToDoにタグという付加情報を付けて絞り込み表示をしたり、複数のToDoからなる1つの仕事を「プロジェクト」という単位でまとめるといった高度な機能も備えている。また、iCalとの連携やiPhoneアプリケーションも用意されているなど、使いこなすほどパワフルに活用できるツールとなっている。

(2) 「プロジェクト」単位で項目を整理
本ソフトでは、複数のToDoを「プロジェクト」という単位でまとめて達成に必要な事項をまとめておける。これがiCalやMailのToDo管理との一番の違いだ

(3) 外出先でも仕事を確認
iPhone版アプリがあり、MacのThings Macと内容を同期できる。Macで購入品を書き留めておき、外出先で確認したり、会議室でその日の仕事量を確認ができるようになる

FOCUS ON

まず便利さを感じるのは、ToDoの登録のしやすさだ。例えば、アプリケーション上で追加するときは、[スペース]キーで新規ToDoが追加されるため、キーボードだけでToDoを追加していける。また、他のアプリケーションを使用しているときでも、瞬時に入力ウインドウを表示させてToDoを登録できるのは手軽で使いやすい。さらに、メールをドックのアイコンにドロップしてもToDoの追加ができる。どの状態でもすぐToDoを登録できるため、挫折しがちな「仕事をとにかく書き出す」という作業が比較的ラクにできるのが魅力だ。

(4) メールやWEBブラウザから一瞬で登録
他のアプリケーションで作業中でも、キーボードショートカットで「クイック入力ウインドウ」が開き、瞬時にToDoを登録できる。表示中は、テキストやURLなどをこのウインドウのメモ欄にドラッグ&ドロップすることも可能だ。ショートカットは自分の好きなものに変更できる

ToDo機能は、MacのMailやiCalにも備わっているが、その機能は箇条書きの域を出ないものだ。プロジェクト単位の把握や、今やるべき仕事のみを絞り込んで表示できる本製品なら、仕事効率を高め時間の有効活用ができる。Macをビジネスで使っているユーザなら検討に値する製品だ。

(5) 定期的に訪れる仕事にも対応
週次報告など、定期的に行う作業も登録できる。時期が到来すると自動的に「今日」の項目にアイテムが繰り入れられるので、手動で管理する必要がない

(6) iCalとの完全同期を実現
Things Macで登録したToDo項目は、iCalやMailのToDoと同期できる。Things MacとiCalのどちら側でも入力ができるなど親和性が高い

AFTER REVIEW

iPhoneやiPod touchのユーザなら、別売りのiPhoneアプリを購入することで、Macの前にいなくてもToDoの確認、入力ができるようになる。ただし、ネットワーク経由での他のMacとの同期機能は備えていないため、職場と自宅のMacでToDoを同期させたいという人には不向きだ。15日間使用可能な体験版が公開されているので、まずは自分に向いているかどうか試してみよう。