わかりやすいインターフェイスに一新!
データの復旧速度と復旧率も向上【2010年2月号掲載】


定番のファイル復旧ソフト「データレスキュー」がSnow Leopardに正式対応した。ハードディスクをはじめ、各種フラッシュメモリ、iPod(iPhone、iPod touchは除く)やデジカメ内蔵記憶装置などをスキャンし、誤って消してしまったファイル、ドライブの損傷で読み込めなくなったファイルなどを復旧できる。その最新バージョンとなる本ソフトは、未対応の形式でもユーザがサンプルを登録することで復旧を可能とする「ファイルIQ」機能を追加した。復旧を諦めてしまっていたデータも、本バージョンなら取り戻せるかもしれない。


スペック

[発売元] アイギーク [価格] パッケージ版:1万5,750円、ダウンロード版:9,975円、アップグレード版(メディア付き):9,450円、アップグレード版(ダウンロード):7,350円 [OS] Mac OS X 10.4.9以上 [メモリ] 512GB以上(1GB以上を推奨) [HD] 700MB(別途仮想マシン1台につき5GB以上が必要) [備考] インテルCPUを搭載したMac、もしくは、PowerPC G4/G5を搭載し、2006年以降に製造されたMacに対応。復旧データを保存するためのハードディスクが別途必要 [掲載号] 「Mac Fan」2010年2月号

OVERVIEW

「データレスキュー3」は、誤って削除したファイルやフォーマットしたディスクからファイルを救出する復旧ソフトだ。今回のバージョンでは、ユーザインターフェイスを刷新し、初心者でも扱いやすいウィザード形式で復旧作業を実行できるようになった。

(1) 簡単操作で迷わず復旧
データレスキュー3を起動すると、3つのステップでデータ復旧作業を進めるウィザードが表示される。このウィザードに従って作業を進めてもいいし、[閉じる]をクリックして手動で進めることも可能だ

また、グラフィカルな「アリーナビュー」とテキストベースのシンプルな「詳細ビュー」という2種類のインターフェイスが用意され、スキャン中にはアニメーションが表示されるようにもなっている。

(2) グラフィックにこだわったアリーナビュー
各機能にアクセスするためのアイコンが扇状に並んだ「アリーナビュー」(左)。見栄えにこだわったデザインだ。テキストベースで各機能の詳細を説明する「詳細ビュー」(右)も用意されており、ウインドウ左下のボタンをクリックして切り替えられる

(3) スキャン中はアニメーションが表示
スキャン中には、作業の進行状況を示すプログレスバーと、アニメーションが表示される。処理が途中でストップせずにしっかり動作しているという安心感を得られる

機能面では、見つけたファイルを復旧前にプレビューする機能や、初期状態では対象外となっている特殊な形式のファイルでもサンプルファイルを登録することで復旧対象にできる「ファイルIQ」機能、ディスクのクローン機能、ディスクの状態を分析する機能などが追加されている。最新OSのSnow Leopardにも対応し、処理速度の高速化も実現している。

(4) 「ファイルIQ」機能のサンプル登録画面
未対応のファイルを登録して復旧を可能にする「ファイルIQ」機能のサンプル登録画面。高い復旧率となったが、ファイルフォーマットによっては登録しても効果が見られないこともある

(5) 復旧以外の機能も実装
スキャン方法(タスク)の選択画面。ディレクトリ情報を利用する「クイックスキャン」、時間はかかるが復旧率の高い「ディープスキャン」、最近削除されたファイルを探し出す「削除スキャン」などの他に、ディスクのクローン(複製)などの機能を持つ

FOCUS ON

ファイル復旧の手順は、対象となるボリュームの選択、スキャン方法の選択、スキャンの実行、復旧したファイルの保存という流れで、前バージョンから大きな変更はないが、ウィザード形式のインターフェイスのおかげで、そのとき何をすればよいのかがわかりやすくなっている。

スキャン中は、グラフィカルなアニメーションと合わせて、処理の進捗状況を表示するバーや残り時間が表示される。前バージョンでは、スキャン途中にどんどん残り時間の表示が増えていってしまうことがあったが、本バージョンではスキャン方法の変更により、残り時間の表示と実際の処理時間のずれが少なくなった。いつ処理が終了するのかという不安や焦りが低減されるという点で、重要な改善ポイントだ。肝心のスキャン時間も、前バージョンと比較して90%程度の所要時間で完了した(60GBのUSB接続ハードディスクで「ディープスキャン」を行った場合に約1時間を要した)。

スキャン後のファイルプレビュー機能は、Leopardから搭載された「クイックルック」とほぼ同じ機能でファイル内容が確認しやすい。例えば、画像ファイルなら一般的なJPEGやPNGなどはもちろん、デジタルカメラのRAWファイルの表示も行える。また、画像以外にもテキストやPDFファイルなどもプレビューが可能だった。大容量のハードディスクをスキャンしても、ファイルの内容が確認できなければ、片っ端から保存可能な別の大容量ハードディスクが必要になってくるので、このプレビュー機能はありがたい。

(6) クイックルックのようなプレビュー機能
ファイル内容を確認できるプレビュー機能。OSのファイルプレビュー機能を利用しているということだが、「Keynote」のファイルなど、OS上ではプレビューできるものの本ソフト上で表示できないものがあった

さらに、新機能のファイルIQ機能も心強い。初期状態で復旧できなかった「Shade(シェード)」や「MindManager(マインドマネージャ)」といったソフトの独自ファイルで試したところ、5つのファイルをサンプルとして読み込ませた後は高確率で復旧できるようになった。中には登録しても検出できなかったケースや復旧後に正しく開けなかったケースもあったが、全体的に見れば8割以上のデータを復旧できた。信頼に値する新機能といえるだろう。

(7) 救出したファイルは種類ごとに分類
救出したファイルは、階層化されたフォルダの中に種類別で分類される。ディレクトリ情報を利用する「クイックスキャン」でファイルが見つかった場合は、フォルダ階層やファイル名が保持される。

AFTER REVIEW

思いのほかスムーズに復旧作業が行え、「ディープスキャン」の速度も従来と比べ速い。RAWファイルの対応も進んでいるようで、前バージョンでは復旧できなかったRAWファイルも復旧できたのが頼もしい。復旧率は損傷状態によって変わるため、この製品があれば安心とはいい切れないが、万が一のとき頼りになることは間違いない。

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