WEBサービスとの連携強化と
CSSのカスタマイズを実現【2009年10月号掲載】



スペック

[発売元] デジタルステージ [価格] スタンダード版:1万9,800円、 プロフェッショナル版:2万4,800円(ともに9月25日発売) [OS] Mac OS X 10.4.11 または Mac OS X 10.5.8(サーバ版を除く) [メモリ] 1GB以上(2GB以上を推奨) [備考] PowerPC G5、またはインテルCPUを搭載したMac(インテルCPUを推奨)。プロフェッショナル版は専用サーバ「BiNDサーバ」の2年間の利用権と追加デザインテンプレート1年分が付属 [掲載号] 「Mac Fan」2009年10月号

OVERVIEW

個人から企業サイトまで幅広い用途で使えるWEBサイト制作ソフト「BiND for WebLiFE*3(以下BiND)」の最新版が9月25日に発売される。

BiNDの最大の特徴は、センスのよいデザインを誰でも手に入れられることだろう。また、そういった良質なデザインのWEBサイトをワープロ感覚で更新できる点も魅力の1つだ。

(1) シックに進化したサイトシアター
新しいサイトの作成や作成中のサイトを選択する「サイトシアター」画面は、シックな黒基調のデザインになっている

(2) 刷新されたテンプレートデザイン
テンプレートのデザインはさらにスマートに進化している。やはり半年、1年前とはずいぶんデザインの潮流が変わっているのを感じる。なお、BiND 2のサイトデザインも引き続きBiND 3で利用できる

(3) 配置できるパーツも盛りだくさん
ページ内に配置できるパーツも増えている。検証したバージョンでは試せなかったが、「ウェブサービス系パーツ」ボタンから、「はてなブックマーク」や「Twitter」との連携を図るパーツを貼れるようになるという

今回のバージョンアップでも、最新のサイトデザインが多数収録されるが、本製品の進化はもちろんそれだけではない。1つは、既存のWEBサービスとの連携強化だ。例えば前バージョン(バージョン2.5)では、Googleの提供するブログ「Blogger(ブロガー)」をBiNDで制作したWEBサイト内に貼ることができたが、本バージョンでは、BloggerだけでなくYahoo!ブログやアメーバブログなども貼り込めるようになった。

そして待ちに待った、RSSフィード配信にも対応する。サイトの更新を知らせることができるようになり、リピーターの獲得が望めるようになる。

また、本製品の発売に合わせ、BiND専用のWEBサーバの提供を開始する(スタンダード版は半年、プロ版は2年分の契約付き)。詳細は明らかになっていないが、今後サーバ会員ならではのサービスの提供が予想される。

FOCUS ON

使ってみてまず気がついた変更点は、ウインドウの下側に配置された[テーマ]ボタンの搭載だ。既存のブログサービスでは、テーマを変更することでブログの外観を一瞬で変えることができるが、BiNDでも同様のことができるようになったのだ。複数のページを追加した後でも、サイト全体のデザインをまとめて変更できるのは便利だ。

(4) デザインをテーマで切り替え
デザインの幅を広げる機能として、「テーマ」が登場した。ワンクリックでWEBサイトのイメージ(色や装飾)がパッと切り変わる。ブログのテーマ切り替えに似た機能だ

また、本バージョンは、上級者ユーザにとってもうれしい仕様変更がなされた。前バージョンまでブラックホール化していたCSS(WEBサイトをどのように修飾するかを定義する書式)部分が公開された点だ。これにより、既存のテンプレートを自分で大幅にカスタマイズしたり、自らテンプレートを作成することが可能になる。

本バージョンは、手軽に美しいサイトが構築できる簡単さと、商用サイトの制作でも充分に使える本格的なカスタマイズ機能という、まったく異なる2つの要求に応えた意欲作といえるだろう。

(5) ページ幅も変更可能に
[ページレイアウト設定]に[エリアの横幅]が追加。このカスタマイズが追加できるだけでも、WEBサイトの雰囲気はかなり変わる

AFTER REVIEW

検証したバージョンでは、既存WEBサービスとの連携部分は試すことができなかった。具体的にどのような機能が追加されるのか、どのようなパーツが貼れるのか興味は尽きない。連携内容によっては、自分のサイトを既存のWEBサービスやソーシャルネットワーク上でアピールできる可能性があり、アクセス数の向上につながるかもしれない。正式版に期待したい。

(撮影:黒田彰)