ストーリー性のあるスライドショーを作成できる
新たな「おまかせシナリオ」機能を搭載【2009年8月号掲載】
簡単な操作で写真をスタイリッシュな映像(フォトシネマ)に変身させる「LiFE* with PhotoCinema」の最新版が登場した。新たに、目的別のシナリオに合わせてフォトシネマを自動生成する「おまかせシナリオ」機能を備えたほか、動画ファイルの挿入、ハイビジョンサイズでの出力にも対応。また、完成したフォトシネマをYouTubeに直接アップロードできる機能も追加し、インターネットとの親和性が高められている。
スペック
[発売元] デジタルステージ [価格] 1万2,800円 [OS] Mac OS X 10.4.11またはMac OS X 10.5.7 [メモリ] 1GB以上の実装メモリ(2GB以上推奨) [HD] 10GB以上(20GB以上の空き容量を推奨) [備考]PowerPC G5、またはインテルCPUを搭載したMacに対応。1024×768ピクセル以上のモニタ(1280×1024ピクセル以上を推奨) [掲載号] 「Mac Fan」2009年8月号
OVERVIEW
本製品は、写真をベースとして映画のようにスタイリッシュなムービー(フォトシネマ)を簡単に作成できる「LiFE* with PhotoCinema (ライフ・イズ・フォトシネマ)」シリーズの最新バージョンだ。同シリーズは、2002年6月に登場した初代バージョンによってデジタルフォトスライドショーの概念を革新し、新たなジャンルを形成するきっかけを作り出した。
そして本バージョンでは、誰もがドラマチックな映像作成ができるよう、ステップバイステップで作成の指示を埋め込むなど、意欲的なインターフェイスアイデアを導入。併せて、最近の映像再生環境の広がり(家庭におけるハイビジョンテレビの一般化や、インターネット上の動画共有サイトの普及など)を見据えて、より高画質なフォトシネマの生成や、YouTubeへの直接アップロードも実現している。
(1) 簡単な手順で可能なYouTubeアップロード |
シリーズの基本である簡便さと映像のクオリティの高さに磨きをかけつつ、昨今のデジタル環境に合った機能を盛り込んだ意欲的なバージョンアップだといえる。
FOCUS ON
起動して最初に表示されるシアター画面では、中央上部の再生用スクリーンを囲むようにしてDVDパッケージ風のフォトシネマのアイコンが並ぶ。この画面レイアウトや、見たいフォトシネマのアイコンを選択して再生する操作方法はシリーズ共通のものだ。しかし、全体に白を基調にピンクやブルー、グリーンのアクセントカラーをあしらってリニューアルされたデザインは、よりシンプルで柔らかな印象になった。そして、フォトシネマを「みる」というこの画面の役割を明示したうえで、1、2、3の番号順に操作を促すナビゲーションは、初めてソフトを使うユーザでも戸惑うことのないわかりやすいインターフェイスだ。このステップバイステップのインターフェイスアイデアは本製品全体に採用されている。
(2) 手順が画面でわかるインターフェイス |
(3) 馴染み深い3ステップの「選ぶ画面」 |
フォトシネマの作り方自体も、まず写真セットを選び、音楽を選び、表示効果のスタイルを選ぶという3ステップ方式を踏襲しているが、本バージョンでは、写真セットの中に30秒までの動画(「MOV」や「MP4」形式をサポート)も含められるようになり、表現の幅が広がっている。
(4) 新たに加わった動画挿入機能 |
さらに、フォトシネマを自動生成するモードも、見た目の演出だけでなく、スナップ、旅、ウェディングなどの目的に応じたストーリーを選択できる「おまかせシナリオ」へと進化している。ダイアログに従ってキメ写真を選択し、文字の入力を行っていけば、ストーリー性のある、ドラマチックなムービーがあっという間に完成する。もちろん、出来上がったムービーの演出を再編集したり、一から自分で作り上げていく「じぶんでモード」もあり、画面切り替えの演出や文章を表示するタイミングなどを自由に調整できる。
簡便さの中にユーザのオリジナリティを盛り込むための工夫を凝らし、これまで以上に高品位なフォトシネマの生成が可能になった本バージョンは、このシリーズの1つの完成形と呼ぶに相応しい。
AFTER REVIEW
内蔵された美しい日本語フォントや生演奏によるサンプルBGMなど、デジタルステージのセンスと意気込みを改めて感じさせる製品だ。画面のテイストが男性ユーザにはややスイートすぎるかもしれないが、製品の楽しさを操作画面にまで反映させた手腕には感心する。フルスクリーン再生後にほかのソフトのウインドウサイズが影響を受ける仕様は要改良だが、画質と動きの品質の高さは価格に見合うものだ。