名刺の情報を的確に見分けデータベース化
【2009年2月号掲載】
スペック
[発売元] アメリカンメガトレンド [価格] 3万4,800円 [OS] Mac OS X 10.4以上 [メモリ] 512MB [HD] 200MB以上 [備考] インテルCPUを搭載したMac。1024×768ピクセル、3万2000色以上の画面表示機能、CD-ROMドライブ、USBポート、インターネット接続環境が必要 [掲載号] 「Mac Fan」2009年2月号
OVERVIEW
本製品は、膨大な枚数の名刺をスキャンしてデータベース化するためのツールだ。OCR(文字認識)機能を持った名刺管理アプリケーションに、名刺読み取り専用のスキャナが付属しており、名刺の読み取りという煩雑な作業がスムーズに行われるよう工夫されている。
(1) スキャナはとてもシンプル |
(2) 自動で名刺を飲み込んでくれる |
本製品でもっとも特徴的なのは、日本語を含む世界17カ国語、18言語の名刺を認識することができる高いOCR機能だ。とりわけ繁体字中国語、簡体字中国語、韓国語に対応していることは、アジア各国を相手に取り引きを行うビジネスマンにとって心強い。
さらに、取り込んだデータを「アドレスブック」にエクスポートする機能も備えている。アドレスブック経由でiPhoneなどと同期させれば、交換した名刺を最大限活かすことができる。
FOCUS ON
実際に使ってみた印象は、非常に使いやすく快適だ。アプリケーションを起動したら、ただひたすらスキャナへ名刺を差し入れるだけ。名刺をスキャナに挿入すると、数秒で読み取ってデータベースに反映してくれる。多少名刺のデザインが変わっていても、どこの文字列が住所でどこが電話番号なのか、的確に分類して読み取っている。このスピードと正確さに驚かされた。
世界17カ国語、18言語に対応するということから、試しに香港の名刺をスキャンしたところ、こちらも正確に読み取った。かなりごちゃごちゃと情報が掲載されていたにもかかわらず、必要なところはおおむね切り出されていた。もちろん読み取り時に、言語と地域をしっかり設定する必要があったが、それにしてもOCRの精度の高さには目を見張るものがある。
ソフトウェア上に蓄えられたデータベースには、テキスト化された情報だけでなく読み取った画像も格納される。名刺の表面に書き込みなどがあった場合、そのままそっくり保存されていればすぐにソフト上で確認できる。この製品のいいところは、まさにこの点にある。いったんスキャナで読み取ってしまえば、2度と名刺に戻って情報を確認する必要がないのだ。極端なことをいえば、読み取ったら名刺を捨ててしまってもいい。膨大な名刺の束から数分かけて目当ての1枚を探し出す、そんな無駄な作業と決別できるツールなのだ。
AFTER REVIEW
名刺専用となっているだけあって、使い勝手のよさは抜群。名刺を送り込むだけでどんどん住所録ができていく様は圧巻だ。数百人の名刺を一気にデータ化するのも、比較的短時間でできるだろう。また、デザインが異なっても、正確に分類するところはさすが名刺専用だと感じさせる。価格が若干高めに感じるが、持っている機能を十分活かすのであればコストパフォーマンスは決して悪くない。