状況をグラフィカルに表示する、多機能メンテナンスソフト
【2008年10月号掲載】



スペック

[発売元] アイギーク [価格] 通常版:1万2,880円、アップグレード版:7,560円 [OS] Mac OS X 10.4.9以上 [メモリ] 256MB以上 [備考] 1.0GHz以上。アニメーション表示を行う場合はPowerPC G4以上(Quartz Extreme対応機種) [掲載号] 「Mac Fan」2008年10月号

OVERVIEW

本製品は、ディスクの検証や修復、データの完全抹消などが行えるディスク管理専門のソフトだ。

特徴的な機能には、データを記録した状態のままでフォーマットすることなくパーティションを再設定する機能や、米国のアップルストアの「ProCare」プログラムで公式採用しているというデフラグ機能がある。ほかにも、メディアテスト、ベンチマクーク、ディスククローンの作成などの機能も持っているので、これ1本あればディスクに関するあらゆる保守をこなすことが可能だ。

(1) パーティションを自在に変更できる
データが記録された状態のハードディスクに対して、データを消去することなくパーティション再設定が行える。ただし、ボリュームを分割する際は連続した空き容量が必要なので、場合によってはデフラグや空き容量確保などの準備が必要となる

今回のバージョンアップでは、パフォーマンス面で大きな進化を遂げるとともにに、インターフェイスを一新し、さまざまな処理を行う際にグラフィカルに経過を確認できるようになった。

(2) アニメーションを取り入れたインターフェイス
3.5インチエリアに写真を分割表示したり、拡大表示できる。写真が大きく表示できるので写真の確認や補正、加工が簡単に行える。また、左右に設けられた操作ボタンも、写真の中に表示されるのではないので大変使いやすい

(3) デフラグ作業中にもアニメーションを表示
デフラグ作業中には、データの移動をイメージしたアニメーションが流れる。実際の作業進行状況は下部のプログレスバーで確認できる

FOCUS ON

昨今のハードディスクは数百GBという巨大な容量が当たり前となってきた。ディスクの検証や修復、デフラグ作業といったものは容量に応じて処理にかかる時間も増え、大容量のものは半日かかることもある。作業スピードの短縮は大きなアドバンテージとなる。

「Macにデフラグはそれほど必要ない」といわれることがあるが、実際に本製品でデフラグの効果のほどを検証してみたところ、ディスクの書き込みにおいて最大約116%の速度アップが実現した。ドライブの空き容量やデフラグ前の断片化の度合いで効果は変わるはずだが、特に残り容量が少ない状態で長期間使い続けたハードディスクでは効果が期待できるだろう。

また、ベンチマークの測定機能が役に立つ。このベンチマーク測定機能は、ドライブの読み/書き速度を計測する機能で、あらかじめさまざまなMacの標準データが入っており、その内容と比較できる。標準データと実際の自分のマシンの計測結果を比べることができるので、自分のマシンが標準より遅いという結果が現れたら、デフラグなどで改善を図る、という使い方ができるのだ。この標準データは、開発元がアップルのラボで測定した結果であり、基準としての信頼性も高い。

(4) ディスクのスピードを計測
「ベンチマーク」では、ディスクのスピードを標準値と比べることができる。青色のグラフが標準値で緑色のグラフが実際の計測値だ

新インターフェイスは、一部でアニメーションを取り入れたり、機能やボタンなどを選択するとウインドウ下部に解説が表示されるなど、扱いやすさとわかりやすさに重点が置かれており、実用一点張りのインターフェイスよりも敷居の低さを感じさせる。

(5) 不良ブロックを見つけ出す
スキャン機能は、正常に読み込みできないブロックが存在しないかどうかを探し出す機能だ。異常が見つかった場合、そのブロックに情報を書き込まないよう処理を施す

AFTER REVIEW

今まで、この種のソフトは見た目がおろそかになりがちだったが、メンテナンスの多くは長い処理時間が必要となり、その間ずっと殺風景な画面が続くと不安になる。その点、アニメーションを多用した本製品のインターフェイスは、単に見栄えのよさだけでなくキチンと処理を実行しているという安心感につながっている。処理内容の解説が表示されるのも、初心者にとっては高い安心感につながるはずだ。