自分にピッタリのブログを構築&運営できる
【2007年9月号掲載】



スペック

[発売元] シックス・アパート  [価格] 基本ライセンスパック(1サーバ、5ユーザ)5万2,500円~。ただし、非商用の個人ライセンスは無償 [備考] CGIスクリプトが動作するWEBサーバ、Perlバージョン5.6.1以上(5.8.1以上を強く推奨)、MySQLほかのデータベースが必要。個人ライセンスでもアフィリエイトの利用は可 [掲載号] 「Mac Fan」2007年9月号

OVERVIEW

今回バージョンアップした「Movable Type 4」は、強力なカスタマイズ機能を誇るブログソフトである。ホームページ作成ソフトのようにわかりやすくHTMLの記事を作れるWYSIWYG(ウィジウィグ)エディタ、ファイル管理を簡単にするファイルマネージャ、ブログ記事以外のHTMLページ作成機能など、大幅な機能強化を果たしている。

商用利用の際はライセンスパックを購入する形になるが、個人で使う分には無償で利用でき、その場合でもアフィリエイトが許可されているのはうれしいところだ。

本製品を利用するためには、動作環境を満たしたレンタルサーバを契約するか、もしくは自前でサーバを用意する必要があるが、手間はかかっても、レンタルブログではできないことをやりたい、という方には、まさにうってつけだといえる。

FOCUS ON

(1) 刷新されたインターフェイス
新しいインターフェイスはデスクトップソフトのような、プルダウン式のメニューを採用している。再構築やサイト確認はメニューではなくアイコンになっていることに注意

本製品は、バージョンアップにともなって、かなり大規模に機能の追加が行われた。やはり導入後最初に目に付くのはプルダウン式に変更されたインターフェイスだ。操作感はデスクトップ上のソフトウェアに近く、直感的な操作が可能になっている。従来のインターフェイスに慣れ親しんだユーザには、最初はちょっと馴染めないかも知れないが、サイトの再構築や確認はメニューではなく、アイコンで示されていることさえ押さえておけば、不自由に感じることはないだろう。

また、WYSIWYGエディタが標準搭載になったことも注目したい。この機能により、HTMLでいちいち記述することなく簡単に文章の体裁を整えられる。また、アップロードされたファイルをわかりやすく管理できるファイルマネージャで気軽に画像を挿入、配置できるようになったことも大きな魅力だ。

(2) WYSIWYGエディタを標準搭載
WYSIWYGエディタとは、要はホームページ作成ソフトのようなものだと思えばいい。ソースを手書きするのではなく、ワープロ感覚でHTMLページを作成できるのが特徴だ

(3) 自分好みのブログを作ろう
実際にテストで構築してみたブログの様子。テンプレートをいじったり、スタイルシートをいじったりして作ることもできるが、公開されているものを引っ張ってきて編集するのがラク

さらに、ブログ記事以外のHTMLページを作成する機能もあり、その際に前述のWYSIWYGエディタを利用できるので、コンテンツマネジメントシステム(CMS)として本製品を利用する場合も作業の効率アップにつながるだろう。

本製品は、導入や構築にある程度の知識を要求されるが、自由度の高さはそれに見合ったものだ。レンタルブログでは我慢できない、もっと効率良くWebサイトを管理したい、と思っている方は導入を考えてみてはいかがだろうか?

(4) 画像アップからそのまま記事にできる
アップロード後に直接その画像を使った記事を作成するページへ移動できるのは実に便利。また、ファイルマネージャを使えば、アップロードした画像をチェックしたり、整理するのも簡単に

(5) キャプチャ認証が可能になったコメント
コメントを付ける際、表示された画像に書かれた文字列を入力することで認証する「キャプチャ認証」が使えるようになった。スパムは避けたいが、匿名の投稿者からのコメントは受け付けたい、というような時に役立つ

AFTER REVIEW

つまずきそうだと感じたのはやはりインストールからブログの構築にかけて。インストール用のウィザードが用意されており、必要事項の入力だけで済むのだが、そのウィザードを起動するのにはパーミッション設定という操作を行わないといけない。また、ブログテンプレートなどの編集を行うには相応の専門知識が要求される。これらを乗り越えられれば、思いどおりのブログを作ることができるはずだ。
(※本記事はベータ版を元に作成されており、製品版とは異なる可能性があります)