ブートキャンプ領域にも対応
特殊なファイルも復旧できる【2008年4月号掲載】



スペック

[発売元] フロントライン [価格] 1ライセンスパッケージ版:1万4,490円、ITライセンス版:3万5,700円、ダウンロード版:9,975円 [OS] Mac OS X 10.3.9以上
[備考] バックアップ先のディスクが別途必要 [掲載号] 「Mac Fan」2008年4月号

OVERVIEW

本製品は、データ復旧ソフト「ファイルサルベージ 6」と多機能コピーソフト「コピーキャットX4.1」がセットになった製品だ。ファイルサルベージは、本バージョンで未対応のファイル形式をユーザが任意に追加できる「カスタムファイルタイプのサポート」、メールや各種アプリなどに貼り付けられた別ファイルを救い出す「埋め込みファイルの復旧」といった新機能を搭載した。

(1) 基本操作画面はシンプル
基本画面はシンプルなので迷う要素は少ない。起動ディスクのデータを復旧したい場合はDVD起動を行う必要があるが、それ以外の場合なら通常どおり起動ディスクからアプリケーションを起ち上げればいい

起動ディスクがトラブルに遭った場合、ハードディスクに手を加える前にデータ救出を試みたほうが安全だ。この製品はDVDからの起動が可能なため、起動ディスクに影響を及ぼさずに復旧を試みることができる(ただし、現時点での起動DVDに収録されているシステムは、PowerPC/インテル両対応のMac OS X10.4.9のため、LeopardプリインストールモデルではDVD起動はできない)。

また、ハードディスクに限らず、SDカードなどのフラッシュメモリや光学メディア、ウィンドウズ用にフォーマットされたハードディスクなどにも対応する。

FOCUS ON

(2) ディスク修復系のソフトを試す前に!
上級モードでは、標準で対応していないファイルタイプでも、ユーザが対応させることができる。同種のサンプルファイルを10個以上用意して、ソフトに解析させればいい

本製品は、登録されているファイルタイプを元にメディアを解析し、データを復旧する。復旧されたファイルは、あらかじめ指定しておいた場所に種類ごとに分けて格納される。 対応しているファイルは画像やムービーなど100種類以上と幅広いが、上級者向けモードでは、標準で対応していないファイルタイプでも、10個以上の同種のファイルを分析させることでファイル形式を追加できるようになっている。

実際に、標準では対応していない「Shade」のネイティブファイルを使って試したところ、正しく判断して復旧させることができた。日頃専門的なファイルを扱うユーザにとっても頼りになるはずだ。

(3) ファイルの種類ごとに分けて救出
救出されたデータは種類別にフォルダ分けされる。ファイルネームは基本的に連番となる(元の名前は失われてしまう)が、自動で内容を表す名称に変更させることも可能だ

同梱のコピーキャットX4.1は、さまざまな方法でバックアップやボリュームの複製ができる。レパードは、「ディスクユーティリティ」の「復元」からボリュームを丸ごとコピーできるが、コピーキャットX4.1ではそれに加え、HFS+の圧縮イメージでの保存やブートキャンプパーティションを含むボリュームのコピー、15台まで並列してボリュームを複製する機能などを備えている。同一構成のMacを複数必要とする法人にとっては重宝する機能だろう。

(4) ハードディスクのイメージ化や丸ごとコピーも
コピーキャットX 4.1で[ボリュームやデバイスを複製]を行った。同一のコピーを作成するが、当然容量分の時間が必要だ。MacBookの内蔵ハードディスク(80GB)をファイアワイヤ接続の外付けハードディスにバックアップしたところ約4時間かかった

(5) 圧縮コピーにも対応
コピーキャットX 4.1での[ボリュームのバックアップ/リストア]では、HFS+ボリュームの圧縮イメージファイルを作成したり、バックアップしておいた状態に戻すことが可能。ハードディスクの換装時や、丸ごと環境を保存する際に最適だろう

AFTER REVIEW

ファイルサルベージは、操作も手軽で復旧されたデータもわかりやすい。単体版との差はコピーキャットX 4.1の有無なので、価格差と機能面で魅力を感じることができればおすすめ。ボリューム丸ごとのイメージ化や強力なコピー機能は重宝するだろう。大容量化したハードディスクや各種フラッシュメモリでは、必然的にトラブルが起きた場合の被害が大きくなるため、データ復旧ソフトの導入は心強い。