誰でも簡単に楽しく使える、新パーソナルタブレット誕生!
【2007年11月号掲載】
スペック
[発売元] ワコム [価格] オープンプライス
[実売価格] CTE-450:1万3,000円前後、CTE-650:1万8,000円前後、ArtMaster CTE-650S1:2万円前後 [OS] Mac OS X 10.3.9以降 [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] CTE-450:W210×H11.2×D194.1mm/約370g(USB接続ケーブル含む)、CTE-650:W280×H11.2×D235.1mm/約550g(USB接続ケーブル含む) [掲載号] 「Mac Fan」2007年11月号
OVERVIEW
イラストレーターやマンガ家などのプロが使う道具というイメージのあるペンタブレットだが、ここ数年で事情が変わってきている。デジカメ写真の加工などを目的としたホームユースの需要も高まっているのだ。
(1) 薄型化した3色の本体 |
そんな中、ワコムはコンシューマー向けの「FAVO(ファーボ)」に変わって新ブランド「Bamboo(バンブー)」を起ち上げた。2007年7月発売の入門機「MTE-450」に加え、ホームユースでのクリエイティブ作業に使える「Bamboo Fun(バンブーファン)」が登場。用意されたのは、A5ワイドサイズの「CTE-650」と、A6ワイドサイズの「CTE-450」だ。
FAVOと比較すると、スペック上では読み取り速度や読み取り可能な高さなどが若干向上しているものの、基本性能は同等。入力エリアがワイド化され、タブレット上部にタッチホイールとファンクションキーが追加された点が目新しい。
(2) 入力エリアがワイド化 |
(3) ズームやスクロールをタッチホイールで |
FOCUS ON
新しい円形のタッチホイールでは、画像や書類のズームやスクロールが可能。ホイールの面積が小さいため慣れが必要だが、2次的な入力機能として使える。ファンクションキーはMac OS Xの「Expose(エクスポゼ)」に対応しており、慣れればキーボードのファンクションキーよりも便利。ペンをマウス代わりに使ってメニュー操作し、タッチホイールでWEBブラウザをスクロールするといった、普段のデスクトップ操作にも利用できるだろう。
とはいえ、ペンタブレットで一番大事なのは描き味だ。この点に関しては、FAVOに比べて確実に向上しており、Photoshopでは簡単に筆圧の強弱やスムーズな筆跡を楽しめた。プロ向けモデルの「Intuos(インテュオス)」と比べると、素早い操作の時には違いが出るが、ゆっくりと確実に書く分には問題はない。
(5) 便利なペンの2サイドスイッチ |
また、特筆すべきは入力エリアの表面が若干ザラついていること。インテュオスの入力エリアなどでは表面がつるつるしていて、慣れるまではペン先の微妙なコントロールが難しい。一方、本製品では、紙に鉛筆で描くようなしっかりとした感触が得られ、初心者にも操作しやすい。
「誰でも簡単に楽しく」というコンセプトのとおり、初心者はもちろん、FAVOからの乗り換えユーザや、FAVOを使いこなせずに諦めてしまった人にも使ってみてほしい製品といえる。
AFTER REVIEW
パッケージを開けると目に飛び込むのはいろんな国の言葉で翻訳された製品に込めたメッセージ。世界中の人に使ってほしいという意気込みが感じられる。ドライバのインストーラもわかりやすく、簡単にインストールやチュートリアルへ進めるようになっている。残念なのは付属のマウス。接地面に貼られた布のためか動かすとやや重い感じがする。電池不要でコードレスなのだから他社のレーザマウス程度の操作感があれば、とても便利なデバイスになると思う。