録音品質を一段と高めた 高性能ボイスレコーダ
【2007年11月号掲載】
スペック
[発売元] オリンパスイメージング [価格] オープンプライス [実売価格] 2万8,000円前後 [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] W96×H16×D37.5mm/73g
[備考] 記録形式:WMA、電池寿命:録音時最大約32時間(アルカリ電池使用時) [掲載号] 「Mac Fan」2007年11月号
OVERVIEW
ビジネス用途としての需要が主なボイスレコーダだが、最近ではポッドキャストや語学学習などパーソナルユースでの需要も増えてきている。その中で着実に進化し続けているのが「Voice Trek(ボイストレック)」シリーズだ。フラグシップモデルの「DS-60」は、新開発の着脱式マイクや「指向性マイクモード」を搭載したほか、長時間聞いても疲れにくいサラウンド音質を実現するサラウンド方式「ユーフォニーモバイル」を採用している。
対応OSはウィンドウズのみだが、MacにUSB経由で接続することで録音データをWMA形式で取り込める。また、録音データの再生や管理、編集を行える「DSSプレーヤ」のMac版が同社ホームページから別途購入可能だ。
(3) MacとUSBケーブルで接続 |
FOCUS ON
ハードウェアの完成度は非常に高い。最高品質で録音してみたところ、2GBの内蔵メモリと最大32時間録音できるバッテリ性能により、丸一日以上録音し続けることができたのは驚きだった。録音品質も、新開発のステレオマイクの搭載で、この小さなボディなのに驚くほどクリアな録音が行える。楽器のレッスンなど音質にこだわる録音にも使える。
Macの内蔵マイクやiPodもボイスレコーダ代わりになるが、ノイズを拾いやすく、特に離れた場所の音源の録音には弱い。その点、本製品では、高感度マイクや指向性モードにより、音源が離れた場所にあってもクリアに録音できる。他社製品や同社の低価格モデルと比べると、ノイズキャンセルや9段階に再生速度を選べるなど機能も豊富だ。
(4) ツリー状のフォルダ構成 |
(5) 環境に合わせて録音モードを変更 |
ただし、データはWMA形式なので、iTunesや標準のQuickTimeでは再生できない。Windows Media Playerなどで再生は行えるが、iTunesで管理したり、ポッドキャスト用途などに編集して利用したい場合は、iPod用ボイスレコーダのほうがデータは扱いやすい。
とはいえ、別売りのDSSプレーヤを使えば、録音データの再生から管理、インデックス挿入や不要部分の切り出しといった編集が行える。別売りのフットスイッチが扱えるのも魅力だ。ウィンドウズ版と比べてバージョンが古く、機能面で見劣りするが、専用ソフトがあるのはVoice Trekだけ。語学学習や議事録の書き起こしなど、日常頻繁に録音するユーザには重宝するはずだ。
(6) 専用ソフトでデータ編集 |
AFTER REVIEW
ボイスレコーダとしての基本性能の高さに魅力を感じるユーザに最適だ。ハードウェアがさらに進化したため、録音品質は非常に高い。WMA形式は、リニアPCM録音と比べると録音品質はやや落ちるが、データ容量はおよそ10分の1なので扱いやすい。ただし、DSSプレーヤの改善は望まれる。まだロゼッタでしか動作しない上に、ウィンドウズ版と比べると機能がやや少ない。また、録音データの取り込みに時間がかかるのは残念だ。
(※本製品は販売終了となっています)