明るい小型LEDプロジェクタ
iPhoneとの相性も抜群! 【2010年2月号掲載】



スペック

[発売元] 加賀コンポーネント [価格] オープンプライス [実勢価格] 8万円程度 
[インターフェイス] RGB、コンポーネントビデオ、コンポジットビデオ、HDMI、USB、オーディオ入力、ヘッドフォン [サイズ/重量] W183×H60×D122mm/約800g(ACアダプタ除く) [備考] DLPチップ:0.55型SVGA(800×600ドット)、明るさ:200ルーメン/コントロール比:1400対1 [掲載号] 「Mac Fan」2010年2月号

OVERVIEW

ゲームや映画、そしてMacやiPhoneに保存されている動画や写真を家庭にいながらプロジェクタで投映して大画面で楽しみたい。そう思っても、一般的な家庭用ホームプロジェクタは高価だし、置き場所にも頭を悩ませる。一方、ポケットサイズの低価格プロジェクタは輝度やコントラストといった性能面がイマイチ。多くのユーザが抱えているであろう、そんな悩みに答えてくれるのが本製品だ。

(1) 肩掛けケース付き
キャリングケースに本体と付属品がすべて収められている

その特徴は、まず設置面積がA5サイズと驚くほど小さく、重量もわずか800gというコンパクトさ。それでいて光源にLED(発光ダイオード)を採用したプロジェクタとしては、これまでにない明るさ(200ルーメン)を実現している点にある。表示解像度は800×600ドット、最大80インチまで投映でき、アナログRGBやアナログビデオ、HDMIとほとんどのソースに対応している。

(2) 豊富な入力端子
VGAコネクタ経由で、RGB(パソコン)、コンポーネントビデオがつながるので、コンポジットビデオとHDMIを合わせればほとんどのソースに対応する。D端子もコンポーネントに変換するケーブルを使えばOKだ

(3) わかりやすいOSD
OSD(オンスクリーンディスプレイ)によるメニュー画面は日本語で整理されておりわかりやすい。レスポンスも軽快だ

FOCUS ON

プロジェクタの光源といえば高圧水銀ランプが主流だが、光量が多い半面、消費電力が高く寿命が短いという短所がある。その寿命はたった約2,000時間だ。一方、本製品で採用しているLEDは2万時間と、その差は10倍。交換用の水銀ランプは4~5万円もするため、2万時間使ったときのランニングコストは40~50万円も違うという計算になる。

もっとも、LEDの輝度はまだ高圧水銀ランプに及ばないため、くっきりした映像を楽しむには部屋をかなり暗くしないといけないが、一般的なポケットタイプのプロジェクタと比べれば10倍以上も明るい。

(4) 明るく大画面で表示
LEDを光源に採用。ポケットプロジェクタと比べると画質や明るさは雲泥の差だ。それでいて本体はハガキサイズというのがいい。2.4mの距離で最大80インチの投写が可能だ

(5) iPhoneにもぴったり
別売りのケーブルを使ってiPhoneやiPodも接続可能。音声はRCA端子をステレオミニジャックに変換して本機に差すか、iPhone/iPodにヘッドフォンを直接つないでもいい

実際の映像はDLP方式のため高いコントラストのくっきりした画質が特徴といえる。解像度の少なさもあまり気にならない。一般的にプロジェクタの色合いは、赤が弱く緑被りした青白い傾向にあるのだが、LEDを使っているおかげか人肌などがきれいに出ていた。色再現性もなかなかよい。

また、消費電力が80Wと小さく、エコモードにすれば液晶ディスプレイ並みの45Wとなる(高圧水銀ランプを使う製品の場合は200W以上)。ファンの音も静かで、使用後には電源がすぐ切れる。大規模な会議や100インチオーバーのホームシアターには向かないが、数人でのミーティング、家庭内での利用にはベストな製品といえよう。

(6) スタンドアロンでプレゼン
USBフラッシュメモリを直接接続して、画像や動画ファイルを再生できる。JPEG、MPEG-1/2/4、DivX、モーションJPEGに対応している

AFTER REVIEW

LEDプロジェクタは、これまでの常識を覆す。水銀ランプを光源に採用したプロジェクタでは電源を入れてから輝度が安定するまで数分かかったり、使い終わったあとも十数分冷却が必要だった。しかし、LEDなら液晶モニタのように気軽に点けたり消したりできる。忙しいビジネスの現場で活躍しそうだ。ただし、水銀ランプに比べて明るさが1/5~1/10しかないのが今後の課題といえる。