プレゼンテーションを「正確に」成功させるリモコン
【2009年12月号掲載】



スペック

[発売元] SMK [価格] オープンプライス [実勢価格] 8,000円前後 [OS] Mac OS X以降 [サイズ/重量] W44×H125×D22mm/約78g(電池含む) [備考] 無線方式:RF方式(2.4GHz)、電源:単4形アルカリ乾電池×2、レーザポインタ:赤、電池寿命:約30時間(レーザ連続使用時)、型番:VP4567、品番:RXX6000-1602F [掲載号] 「Mac Fan」2009年12月号

OVERVIEW

SMKは、老舗のリモコンメーカーだ。これまでもプレゼン用のリモコンを多数リリースしてきたが、中でもこの「プレジェンヌ」は低価格・高機能にこだわった製品だ。アップルの「Keynote」、そしてマイクロソフトの「PowerPoint」に対応する。

78gとケータイの半分くらいの重さの本体には、十字ボタンが用意され、左右ボタンでスライド送り/戻しが行える。また、上ボタンではアプリケーションの切り替え(ウィンドウズのみの機能)、下ボタンで画面を真っ暗にすることができる。

(1) 白くて軽い、軽快リモコン
細身で手に馴染みやすいリモコンだ。78gという軽さが魅力。白くコンパクトで、女性にも好まれそうなかわいらしさも漂う。さまざまなボタンを搭載しているが、Macでは「スライドショー開始/解除」「アプリケーション切り換え」が利用できない

(2) タイマーで時間をきっちり管理
側面にあるタイマーボタンでスタート、ストップ、リセットが可能なカウントアップ式のタイマー機能を内蔵

プレゼン用のリモコンは、小さく、気が利いていて、握っていて安心させてくれるものに限る。そう思っていたが、このリモコンは「見る」という機能まで付いてくる。プレゼンの時間をカウントできるタイマー画面が内蔵されているのだ。

白い筐体にはUSB接続のリモコン受信機を内蔵することができ、Macに差し込めばすぐに使える。もちろん、レーザポインタ(赤色)としても使用可能だ。この1台が手の中にあれば、プレゼンを時間どおりに、安心して進められる。

(3) レシーバを内蔵
利用するときには、USBポートにレシーバを挿す必要がある。レシーバはリモコン上部に収納できる。本体があってもレシーバを忘れた、なんてことが起きない

(4) 赤いレーザポインタ
十字キーに囲まれた黄色いボタンを押すと、先端から赤いレーザポインタの光を放つ。離れた場所からスライドをコントロールし、説明するパフォーマンスは非常に快適だ

FOCUS ON

皆さんはどんなシチュエーションでプレゼンテーションをするだろうか。会議室のテーブル? それとも大きな講演会場? 筆者の場合は、100~200人の教室で毎週教鞭を執る授業もまたプレゼンテーションの場である。

学生とのインタラクションは、教壇の上からやればよい、というわけではない。時にマイクを持って教室内を回り、学生の机の横からスライドを進めて話を展開していくことだって必要だ。大学の授業であっても、インタラクティブにするには、プレゼン向けのリモコンが今は不可欠だ。

また、よいプレゼンを行おうと思えば、インタラクションを織り込んだ時間のデザインは必要不可欠。Apple Remoteにも、他社製リモコンにもない、時間配分をきっちりと管理するためのタイマーの便利さはさっそく授業で実感してしまった。

Apple Remoteよりも広い範囲から自由に使え、iPhoneのKeynote操作アプリのように無線LAN(Wi-Fi)接続の煩わしさもない。本製品を手に、デザインされた時間の中での大立振舞、エキサイティングではないだろうか。

(5) 高級な上位モデル
上位機種に当たる「エメラルド・ナビゲーター」(実売3万円前後)。タイマー機能はなく、本体にレシーバを内蔵できない一方で、高級感ある筐体に加え、珍しいグリーンのレーザポインタが印象的

AFTER REVIEW

アップルの「Keynote」に正式に対応している製品は数少ないので貴重な製品。しかも、プレゼン用リモコンは1万円オーバーのものが多い中、これだけの低価格なので買いやすい。カバンに1台入れておくべきツールになった。ただし、Macではアプリケーション切り替えやスライドショー開始・解除などのボタンが利用できないのは残念。白い筐体は、チョークが付いても目立たなくてグッド。

(撮影:黒田彰)