メモの山からすっきり開放!
「手書き」を簡単にデジタル化【2009年11月号掲載】
スペック
[発売元] 加賀コンポーネント [価格] オープンプライス [実勢価格] KG-DP301:1万2,000円前後、KG-DP201:9,000円前後 [OS] Mac OS X 10.2以降 [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] センサ:W110×H40×D28mm/56g、専用ペン:L144×φ13mm/16g [備考] センサ容量:1GB、連続稼働時間:本体・約6時間/専用ペン・約40時間 [掲載号] 「Mac Fan」2009年11月号 ※KG-DP301のオンラインモードはWindows環境のみ対応
OVERVIEW
普段仕事をしていると、まだどうしても手書きに頼らざるを得ないことがある。会議の議事録や顧客との打合せの記録、ふっと湧いたアイデアやスケッチのメモなど……。これをデジタル化するためにキーボードで打ち込んだり、スキャナで読み込んだりするのは面倒で手間のかかる作業だ。かといって、そのままでは紙の山が増えるだけだし、後で見返そうと思っても見つからないことが多い。
そんな問題を解決してくれるのが、デジタルペンだ。加賀コンポーネントから発売されている本製品は、ペンとペンで書いた筆跡を記録するセンサユニットの2つの組み合わせからなっている。
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(1) 小型・軽量なペンとセンサユニット |
使い方は簡単で、センサユニットでノートや手帳などを挟んだら、あとは付属のペンで書くだけだ。筆跡はセンサユニット内のメモリに保存され、MacとUSBケーブルで接続するだけでMacに取り込むことができる。
(2) 紙に挟んで書くだけ |
(3) USBでMacと接続 |
ペンは通常のボールペンと比べてやや太いが、ホールド感や書き味は大きく変わらない。デジタルペンには専用のインクや紙が必要なモデルもあるが、本製品は専用のペン軸があればよく、ペン先はゼブラのボールペンリフィルを使用できる。
FOCUS ON
センサユニットは紙に書いたインクを読み取るのではなく、ペンの動きを超音波で追って記録する。しかし、その認識精度は高く、書いたメモとデジタル化されたメモを比較すると寸分も違わない。
(4) 驚きの読み取り精度 |
最大解像度は900dpiと他社の同等製品や一般的なスキャナ(標準設定は一般的に600dpi)より高い。そのため、5mm四方の文字でも鮮明に認識される。書くときはA4用紙の端から約1cm以内の領域にしか書けないことにだけ注意すれば問題ない。
また、特筆すべきは改ページが楽なことだ。センサユニットに取り付けられたボタンを押すことで改ページを行う製品もあるが、うっかり忘れてしまうと二重書きしてしまうことがある。本製品は、センサユニットを外して挟み直すとそれが改ページと認識される。
唯一残念なのは、ウィンドウズで可能な手書きメモのOCR(文字認識)によるテキスト化が行えないことだが、デジタルペンとしての性能・実用性はとても高い。最初は慣れが必要かもしれないが、使ってみるとその便利さに手放せなくなるかもしれない。
AFTER REVIEW
ライバルは、ぺんてるの「エアペンミニ」(1万2,000円前後)だ。センサユニットはやや小型で、液晶画面でどのページを書いているか表示できる。ただし、ケーブルの持ち運びや専用ソフトのインストールが必要なこと、TIFF形式以外で保存できないこと(本製品はJPEG、PDF、BMPで保存可)を考えると本製品のほうが分がある。解像度も最大900dpiと高い(エアペンミニは100dpi)。さらにMac環境のみで使用するユーザーは、Windows環境のみで動作するオンラインモード機能を省いたKG-DP201が9,000円前後で用意されているので、よりお得に購入することができる。
(撮影:黒田彰)