秒30MBで高速に読み書き!
日常作業を快適にするSDカード【2009年10月号掲載】
スペック
[発売元] サンディスク [価格] オープンプライス [実勢価格] 32GB:3万円前後、16GB:1万5,000円前後、8GB:7,500円前後、4GB:4,000円前後 [掲載号] 「Mac Fan」2009年10月号
OVERVIEW
サンディスクは1994年にコンパクトフラッシュ(CF)を開発し、1999年にはパナソニック、東芝とSDメモリーカード(以下、SDカード)を共同開発するなど、常に業界をリードし続けている存在だ。
そんな同社から発売開始された「Extreme SDHC」シリーズは、市販のSDカードとして最大容量を誇る32GBを実現している製品だ。旧製品の「Extreme 3」と比べて、リード/ライト性能が秒20MBから秒30MBにアップ。さらに「Extreme 3 30MB/sエディション」と比べて、最低書き込み性能を示す「SDスピードクラス」が「クラス6」(秒6MB)から「クラス10」(秒10MB)に向上している。一般的な製品ではハイエンドのものでもクラス6が最高であるため、本製品は頭1つ抜き出た存在といえる。
FOCUS ON
SDカードには、高速かつ高信頼性をウリにする製品もあれば、低価格をウリにする製品もあり、どれを購入すればよいのか迷うところだ。しかし、実際に利用してみるとその違いは明らかにわかる。
例えば、高性能なデジタル一眼レフカメラで使った場合は連写性能に違いが出てくる。1,200万画素クラスのデジタル一眼レフカメラでカメラ内のキャッシュが一杯になる13コマを連写し、本製品に記録されるまでの時間はわずか15秒。一方、4GBでクラス表記もない1,000円前後のカードは55秒もかかる。
(2) デジカメの連写性能比較 |
また、Macでの日常作業においても本製品の高い性能は活きてくる。SDカードスロットを搭載したMacBook Proに600MBのデータを本製品から読み込んだ場合は約45秒。1,000円前後のカードでは約3分だ。大量のデジカメ画像を読み込むときなどには作業が非常にスムーズになる。
さらに、大容量の本製品であれば、OS自体をインストールすることも可能だ(Leopardのインストールに必要な容量は約11.5GB)。試してみると、OSの起動速度がとにかく速くなる。内蔵ハードディスクドライブ(HDD)が55秒なのに対し、本製品は約25秒。アプリの起動やファイルの読み書きも高速だ。大容量のデータは保存できないとはいえ、これだけの性能があれば複数のSDカードにOSを入れ、環境やOSのバージョンを切り替えて使うのもありだろう。
AFTER REVIEW
メモリカードの価格は年々下落しており、店頭では低価格な製品を選びがちだ。もちろん低価格な製品が決して悪いわけではなく、高速なデータ転送が必要ない場合、コンパクトデジカメで利用する場合(メモリカードが高性能でもカメラ自体の性能が追いつかない)といった場合には充分。とはいえ、製品の信頼性も含め、結果的にちょっと出費してでも高性能な製品を買ったほうが満足いくこともある。
(撮影:黒田彰)