無線LANとADF標準搭載でリビングに最適な複合機
【2009年3月号掲載】



スペック

[発売元] ブラザー販売 [価格] オープンプライス [実勢価格] 1万8,000円前後
[OS] Mac OS X 10.2.4以上 [解像度] プリンタ:6000×1200dpi、スキャナ:1200×2400dpi [インターフェイス] USB2.0、10/100BASE-TX、IEEE802.11b/g [サイズ/重量] W390×D375×H180mm/約8.0kg [備考] インク数:4色インク、最小インク滴:1.5pl、液晶サイズ:3.3インチ [掲載号] 「Mac Fan」2009年3月号

OVERVIEW

インクジェットプリンタといえばパソコンのすぐそばに置いて、周辺機器として使うのが一般的だった。しかし、本体のボタン1つでコピーやスキャン、デジカメ写真の印刷が行える多機能な複合機の登場によって、今ではリビングに置いて家電のような感覚で利用するユーザも多い。

その際に重要となるのは、有線/無線LAN機能の有無だ。本製品のように有線/無線LAN接続に対応していれば離れた場所からでもプリントやスキャンなどが行える。また、複数人で1台の複合機を共有できる。

(1) ADFで楽々コピー
15枚まで一度にセットできるADFを搭載。コピーやスキャン時に活躍する

本製品は有線/無線LAN標準搭載に加え、最大解像度6000dpiと最小インク滴1.5ピコリットルの高解像度印刷が可能な点も特徴の1つ。さらにコンパクトな本体にはADF(自動原稿送り装置)を搭載する。有線/無線LANに対応した製品は他社からも発売されているが、この価格帯でADFまで搭載しているのは大変珍しい。

(2) 高さを抑えたコンパクト設計
ADFを搭載しながら、高さは18cmと大変コンパクト。液晶パネルは横長の3.3インチ。画像表示はやや小さくなるが、メニュー項目は非常に見やすい

FOCUS ON

(3) 詳細設定も可能なプリントドライバ
高度な設定をしたい場合はドライバで[拡張設定]を選択。色補正などドライバ側でいろいろコントロールできる

無線LANや有線LAN経由で接続する場合には、使い勝手が重要といえる。本製品では無線LANの接続は基本的にアクセスポイントを選択してパスワードを入力するだけ。あとはMac側にドライバがインストールされていれば、離れた場所に設置されたMacからUSB接続しているようにプリントできる。

ネットワーク経由のスキャンも原稿をセットして送り先となるネットワーク上のMacを選択し、スキャンボタンを押すだけと簡単だ。ただし、無線LAN接続の場合、メモリカードやUSBメモリは自動的にMacにマウントされず、WEBブラウザに本体のIPアドレスを入力してアクセスした上でファイルをコピーしなければならない。

(4) ワンクリックで簡単設定
「コントロールセンター2」というアプリケーションが付属する。スキャン後にOCR(文字認識)処理したり、Eメールに添付したりなどがワンボタンで選択可能だ

一方、ADFを利用したコピー性能は高い。ADFがあれば原稿台の上に15枚までセットして一気に読み取れる。普段はコピー機として利用する機会が多く、ときおり写真を高画質で印刷したいユーザに最適だ。用紙トレイには、L判やハガキサイズの用紙とA4など通常サイズの用紙を同時にセットしておけるので用紙を入れ替える手間もない。

コピー速度も少しずつ読み取っては印刷する方式ながら1枚あたり42秒、モノクロコピー30秒と高速。品質面も同社の従来機に比べて向上している。また、L判フチなし写真の印刷時間も27秒と高速化している点も見逃せない。

(5) 高速モードでも高い品質
顔料ブラックインクを搭載しているため、テキストをシャープにプリントできる。高速モードだとやや薄めだが、実用レベルだ

(6) 原稿に忠実な仕上がり
L判写真1枚のプリント速度は約28秒前後。4色インクながら仕上がりは良好で、L判サイズであれば十分なクオリティといえる。発色は原稿に忠実で、全体にややおとなしい仕上がりだ

AFTER REVIEW

本体はリビングにもマッチするようコンパクトにまとめられている。また、角ばったデザインでないためリビングに置いても存在感を感じさせない。インクは右手前の扉を開けて交換するスタイルとなっており、本体内部にアクセスする必要がない。そのため、高い場所に置いても使える。エプソンやキヤノンの製品と比べると多彩なコピー機能はないが、縮小・拡大コピーや4in1コピー、ポスターコピー、透かしコピーなど必要十分な機能は搭載している。