原稿を自動でスキャン&分類! 手間いらずのお手軽スキャナ
【2008年10月号掲載】
スペック
[発売元] キヤノンマーケティングジャパン [価格] オープンプライス
[実勢価格] 2万円前後 [OS] Mac OS X 10.4以上 [メモリ] 128MB以上 [解像度] 4800×9600dpi [インターフェイス] USB2.0 [サイズ/重量] W272×D491×H97mm/約4.3kg [備考] センサ:6ラインカラーCCD 光源:白色LED、冷陰極蛍光ランプ フィルム対応:35mmスリーブ(6コマ)、マウント(4コマ) [掲載号] 「Mac Fan」2008年10月号
OVERVIEW
本製品は「CanonScan(キヤノスキャン)」シリーズの最上位モデル「8800F」とエントリーモデル「4400F」の中間に位置づけられるCCD方式のフラットベッドスキャナだ。最大解像度は4800dpiで、反射原稿用の光源に白色LEDを採用しているのが大きな特徴。フィルムスキャンにも対応しており、35mmのスリーブ6コマ、マウント4コマをサポートする(ブローニーは非対応)。
(1) 電源内蔵ですっきりとしたボディ |
(2) フィルムの読み取りにも対応 |
また、付属のスキャンユーティリティが進化し、「おまかせスキャン」機能が搭載された。本体前面のスキャンボタンを押すだけで、原稿の種類を判別し適切な画像処理を行ってスキャンしたあと、ファイルを原稿種に合ったフォルダに自動で保存してくれる。スキャンのたびに原稿種や解像度、切り取り作業、画像処理などを個別に設定する必要がないので大変便利だ。
FOCUS ON
スキャン速度を測定したところ、300dpi/600dpiの解像度でスキャンした場合は、A4カラー書類が約12秒と非常に高速だ。「おまかせスキャン」の場合も、スキャンボタンを押してから完全に保存処理が終了するまで28秒しかかからない。白色LEDの採用によりウォームアップ速度がほとんどなく、トータルの作業時間が大幅に短縮される。
「おまかせスキャン」機能では原稿は「フィルム」「写真・ハガキ・名刺・CD/DVD」、「雑誌・新聞・文書」の3つに自動判別される。そして、種別ごとに解像度設定と画像処理が行われる。例えば、雑誌・新聞・文書ならば文書用に色調整され、輪郭強調された上でPDFで保存される。
それ以外の原稿種の場合(定形外の名刺など)を試してみたが、想定した原稿種とあまりにもかけ離れていなければ精度高くスキャンされる。判別できないものに関しては、すべてPDF形式で保存されることが多かった。また、スキャンファイルは自動でMPナビゲータEX上に設けられた[人物]や[名刺]、[はがき]といったフォルダに自動で格納される。定型サイズ以外のものは[その他]というフォルダに入れられるが、定型サイズのものならば分類精度は高く、検索時に便利だ。
「とにかくスキャンの手間をなくしたい」というメーカーの意図が具現化された製品であり、これまで面倒だからと避けていたフィルムや書類などのデータ化を大いに促進させてくれる。
AFTER REVIEW
画像補正機能「FARE Level3」に対応していないこと、読み取れるフィルムのコマ数が少なく、ブローニーに対応していないことが上位モデル「8800F」との大きな違いだ。ただし、8800Fは「おまかせスキャン」を搭載してない。本製品には、OCRソフト「読取革命Lite Ver.1.1.2」が付属する。「おまかせスキャン」機能を使ってスキャンしたPDFファイルは、スポットライトで検索できるPDFとなる。個別に読取革命LiteでOCR化しなくていいので便利だ。