ネットワークに対応! 大量のラベルを高速印刷
【2008年9月号掲載】



スペック

[発売元] ブラザー工業 [価格] オープンプライス [実勢価格] 4万円前後 [OS] Mac OS X 10.3.9以上 [メモリ] 128MB以上 [解像度] 300dpi [用紙サイズ] 専用プレカットラベル、長尺紙テープ [インターフェイス] USB2.0、10/100BASE-TX、RS-232C [サイズ/重量] W133×D240×H143mm/約1.2kg(ロール除く) [備考] 内蔵フォント:英数字、ひらがな、カタカナ、漢字 [掲載号] 「Mac Fan」2008年9月号

OVERVIEW

(1) コンパクトな本体
狭いスペースでも設置しやすいように、本体のサイズを極限まで小型化している。幅はわずか13.3cmとCDより若干大きい程度だ

「P-touch(ピータッチ)」シリーズは、古くからMacに対応している数少ないラベルプリンタだ。家庭向けやビジネス向けに、ベーシックモデルや多彩なラベルに対応する高機能モデル、高速出力モデルなど幅広い製品がラインアップされている。

本製品は、主にビジネス用途で大量のラベルを作成するときに最適なプリンタだ。家庭向けのラベルプリンタが秒20mmという速度であるのに対して、本製品は300dpiの高解像度で秒110mmの高速プリントが可能。また、インターフェイスはUSB2.0と有線ネットワークに標準対応し、プリント後に自動でラベルを任意の長さにカットしてくれるオートカッター機能も搭載する。

(2) ネットワークに標準対応
USB2.0接続のほかに有線のネットワーク機能を搭載している。また、RS-232Cにバーコードスキャナを接続すれば、PCレスでバーコードをコピーできる

(3) オートカッター機能を搭載
ラベルプリント後に自動でカットしてくれるオートカッター機能を搭載。カット方法は、「1枚ずつカット」「指定枚数ごとカット」「最後のみカット」と使用用途に合わせて選択が可能だ

さらに、ウィンドウズのみの機能だが、RS-232C(シリアル)経由でバーコードリーダを接続してバーコードのコピー印刷を行う機能、ExcelやAccessなどの外部データを同梱のラベル作成ソフトに直接取り込める機能も搭載する。

テープは、任意の長さに切断できるシールテープや62×29mmサイズの切断済みラベル、CD/DVD用のフィルムラベルがあり、用途に合わせて使い分けることができる。

(4) 多彩なラベルテープに対応
長尺紙テープの他に宛名ラベルやCD/DVDラベルが用意されており、備品の管理シールやお薬手帳のラベル、食料品のラベル印刷などさまざまな用途に使用することができる

FOCUS ON

プリント速度は高速で、62×29mmサイズの切断済みラベルの場合、USB2.0接続時は3秒足らずでプリント可能。ネットワーク接続時は、USB2.0接続時と比べてプリント前に数秒のタイムラグはあるが、プリントが始まれば速度差は気にならない。プリントのにじみなどもなく、3ptの小さいフォントでも300×600dpiのモードならば、鮮明にプリントできる。

(5) 高品質なプリント
印刷は感熱方式のためインクの補充が必要ない。図ではややわかりにくいが、実際には300dpiの解像度で3ptのフォントでもにじみの少ない高品質なプリントが可能だ

(6) 付属ソフトで簡単プリント
付属のピータッチエディタを使えば、文字や画像、イラストの挿入などが簡単に行える

ラベル作成ソフトでは、文字や画像、バーコード、700点以上のクリップアートなどをレイアウト可能。特に、ビジネス向けに、JANコードなどからの自動でバーコードを製作してラベルを作成できたり、自動的に連番を作成しながらプリントできる機能が便利だ。

Macとウィンドウズが混在する環境にはうってつけのネットワーク機能までも備えた、Mac対応のビジネス向けのラベルプリンタはほかにはない。処方箋やバーコードなど大量のラベル作成が必要な医療や食品、流通といったビジネスの現場はもちろん、ファイリング作業などを頻繁に行うSOHOや小規模事務所まで、幅広く使える1台だ。

AFTER REVIEW

ネットワーク機能を新たに搭載したことで複数のMacやウィンドウズから印刷できるようになり、従来の製品と比べて格段に利便性が増した。オフィス複合機のように1つのグループで共有することができる。大量のラベルを印刷するならば家庭用途に購入してもいいが、対応のラベルテープが限られている。ラミネートテープやキャラクターテープなど、豊富なテープを活用したい場合は、家庭向けの製品を選んだほうがいいだろう。