録画ソフトが大幅機能アップ
MacでもiPodでもTV視聴! 【2008年6月号掲載】



スペック

[発売元] フォーカルポイントコンピュータ [価格] オープンプライス [実勢価格] 2万7,000円前後 [OS] Mac OS X 10.4以上 [インターフェイス] USB 2.0(ACアダプタ給電) [サイズ/重量] 約W104×H64×D29mm/約134g(EyeTV 250 Plus本体) [備考] 録画形式:MPEG-1、MPEG-2(ソフトウェア圧縮)、録画解像度:720×480(NTSC)、720×576(PAL) [掲載号] 「Mac Fan」2008年6月号

OVERVIEW

TVチューナとハードウェアMPEGエンコーダをコンパクトな筐体に内蔵した本製品。本体デザインやサイズは前モデル「EyeTV 250」と同様で、MacとUSBケーブルで接続することで、MacでTVの視聴や録画が行える。専用回路で動画のエンコード処理を行うため、MacのCPUに大きな負荷をかけることなく、MPEG-1/2形式でリアルタイムにTV録画が可能だ。

(1) 小型で設置しやすい本体
本体はMacBookのACアダプタほどサイズなので小型で扱いやすい。前面に外部入力を備えており、専用ケーブルを使えば、ビデオやカメラ、セットトップボックスなどと接続して使用できる

(2) リモコンを標準で同梱
チャンネル切り替えや録画など基本的な操作が行えるリモコンが付属。Apple Remoteでもリモコン操作が可能だ

新たにデジタルチューナを搭載しているのが特徴だが、日本のデジタル放送に対応していない。そのため、やや新しさに欠けるように思えるが、TV視聴/録画用の付属ソフト「EyeTV」がバージョンアップを果たしている。中でも、録画した番組をネットワーク経由でストリーミング配信できる機能が付いたことで、録画した番組をiPodタッチや他のMacで楽しめるようになった。

(3) 直感的に使える視聴・録画ソフト
ソフトウェアは大きさが自由に変えられるTV画面とコントロール部、そして録画したファイルの管理や予約録画、書き出しを制御するライブラリで構成されている

FOCUS ON

Macに録画した番組をiPodなどでストリーミング視聴するには、EyeTV上に表示されるURLをWEBブラウザに入力するだけでいい。これで、ストリーミング配信を許可した番組が画面に表示され、iPod touchの場合、見たい番組をタップするだけで視聴できる。ローカルネットワーク内だけでなく、例えば会社にいながら自宅のMac内にある録画番組を見られる。

ストリーミング配信であるため、画質はネットワーク速度に依存するが、実質10Mbps以上出ている環境ならば、途切れのない良好な画質を得られる。録画した番組はボタン1つでiTunes経由でiPodに転送したり、付属の「Toast 8」を利用してDVDに焼くことも可能だ。

(4) iPodで録画したファイルをリアルタイム視聴
録画した番組はiTunes経由でiPodに転送することもできるが、リアルタイムに無線LANを経由してiPodで視聴することも可能だ

TVの視聴や録画時の画質は十分高いレベルだ。EPGによる録画予約に対応していないのが残念だが、これはiEPGを使ってカバーできる。また、ソフトウェアの使いやすさは健在で、カバーフロー表示での録画番組の閲覧や、スマートプレイリストの作成、スポットライト検索にも対応している。

今さらアナログチューナかと思うかもしれないが、逆にこれらのネットワーク配信やDVDへの書き出しは、厳格な著作権保護の措置のないアナログTVだからこそできる便利さである。MacやiPodなどでTVを存分に楽しみたいユーザにとっては欠かせない製品といえる。

(5) 録画番組を各種形式に書き出し
録画した番組はiPodやApple TV、PSP、Quick Time形式で書き出せる。ハードウェアエンコーダ「turbo.264」(実売1万5,000円前後)と組み合わせれば、エンコード時間を短縮できる

AFTER REVIEW

最近では内蔵ハードディスクの容量も大きくなってきたので、Macでもたくさんの番組を保存できるようになった。ただし、Mac用のTVチューナの数はあまり多くない。ライバル製品としては、アイ・オー・データ機器の「GV-1394TV/M3」(実売2万5,000円前後)やピクセラの「CaptyTV Universal」(実売2万2,000円前後)がある。価格面には大きな違いがないので、あとは機能・性能面での比較となるが、やはり付属ソフトの使いやすさは本製品が圧倒的に有利といえる。