全世界1,600以上の空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスを、普段から愛用している方も多いのではないでしょうか。プラチナカード以上の高級クレジットカードでは、会員向けの特典としてプライオリティ・パスを提供するケースも多いですが、最近はその内容に異変が起きているようです。
今回はプライオリティ・パスを巡る、サービス内容の変化について解説します。
プライオリティ・パスとは?
プライオリティ・パスとは、主に海外を中心として全世界1,600以上の空港ラウンジや空港施設を利用できる会員プログラムのこと。特定の航空会社の上級会員のみが利用できるラウンジでも、プライオリティ・パスがあれば利用可能になります。なお、国内では一部の飲食店や空港施設の利用も可能となっています。
プライオリティ・パスは直接サービスとして申し込む方法もあり、下記のとおり3つのプランがあります。
プライオリティ・パスは通常有料のサービスですが、クレジットカード会社が特典として提供するケースも多数あります。具体的には、主にプラチナカード以上のランクで提供するケースが多いようです。
クレジットカード会員になるだけで利用できることから、旅行や出張の機会のある方にはお得で人気のある特典です。しかし直近では、クレジットカード会社がプライオリティ・パスの利用を制限する動きが相次いでいます。
三菱UFJニコス、JCBで10月1日からプライオリティ・パスの利用制限
大手クレジットカード会社の三菱UFJニコスとJCBでは、2024年10月1日よりプライオリティ・パスの利用を制限するようになりました。
まず、三菱UFJニコスは、プライオリティ・パスで利用できる施設を空港ラウンジのみに限定。飲食店などその他の施設の利用時は、利用料が発生する可能性があります。
JCBもザ・クラス、プラチナカードなどで、国内に関しては空港ラウンジのみを対象に限定し、飲食店などは対象外となります。一方で海外に関してはこれまでどおり、レストランやリフレッシュ施設なども対象です。
昨今、プライオリティ・パスの国内での飲食施設での利用が増えたことで、カード会社の負担が増え、こういった制限に動いた可能性が考えられます。
プライオリティ・パスはデジタル会員証に
利用制限とは別に、プライオリティ・パスで起きているサービスの変化として、デジタル会員証が挙げられます。これまでプラスチックカードで発行されていましたが、デジタルでの発行に随時切り替える方針です。
たとえば三菱UFJニコスの場合、2024年12月2日の申し込み分からデジタル会員証に切り替わります。すでに発行済みのプラスチックの会員証に関しては、2025年1月31日で期限切れとなるため、2025年2月1日以降に利用したい場合はデジタル会員証の発行を申し込むことが必要です。
楽天カードの場合、2025年1月からデジタル会員証に切り替えとなります。発行済みのプラスチックカードは2025年2月で利用できなくなるため、デジタル会員証の発行の申し込みが必要です。
やや手間がかかると感じる方もいるかもしれませんが、従来のプラスチックカードでは申し込みから発行まで1~2週間必要でした。デジタル会員証では即時発行ができるため、すぐ利用したい方にはメリットが大きいといえます。
制限はあるものの、空港ラウンジ利用には便利
クレジットカードに付帯するプライオリティ・パスに関して、国内の飲食店などで利用できなくなる、年間利用回数が制限されるといったサービス変更が目立ちます。飲食店やリフレッシュ施設などでの利用が増加しているため、サービスコストが大幅に増加したのが原因と考えられます。
しかし、空港ラウンジは引き続き利用可能であり、海外出張や旅行でお得になることに代わりはありません。空港の利用機会が多い方は、引き続き重宝するサービスでしょう。
また、これまでプライオリティ・パスはプラスチックのカードで発行されていましたが、今後はデジタル会員証に変更されます。発行済みのカードは随時利用できなくなるため、カード会社からの案内に沿ってデジタル会員証の発行を申し込みましょう。