西川史子さんの「結婚は修行です」で大激論

ふとテレビを見ていたら、「みんな簡単に離婚し過ぎでしょう。結婚は修行です」と女医の西川史子さんが離婚したタレントさんたちを相手に(坂上忍さん、千秋さんなど)大激論(フジテレビ系列『ノンストップ!』)。

「結婚は修行」…このように既婚者が言えば言うほど、独身女性たちの結婚へのイメージがダウンしてしまうのです。

マイナビのアンケートの中でも、お金の使い方について、結婚後の変化を聞いているのですが、お金の面だけでも「我慢するようになった」という人が男女ともに大半。

女性は「服や靴・自分に賭けられる額が減った。今は子どもが2人いて専業主婦だし」とオシャレを我慢という人が多くなっています。男性はそもそも「お小遣いが3万から1万円に激減」など、自分の収入を好きにできた時代から、管理の時代へと変化を強いられています。

「自分のため」という我欲から「家族のため」に変化

ただ多くの人がそれをマイナスばかりとはとらえていない。「自分のため」という我欲から「家族のため」に変化したわけです。そういう意味では「利己⇒利他」なので、結婚という修行が大いに効果ありということでしょう。

私も、夫が歩くのが大好きな人なので、かなりの距離が歩けるようになりました(その代わりヒールは夫と一緒時はほとんど履かなくなりました)。前は歩くのが大嫌いだったので、健康という意味では良い側面もあります。

やっぱり「修行」とは良い面が見えて初めて修行といえる。逆に「我慢しても我慢しても、何も希望が見えない」と見切ったときが離婚のときなのでしょう。

女性はあまり「荒行」はしてはいけない

ただ、女性はあまり「荒行」はしてはいけないとあるお坊さんが言っていました。「荒行」は男性のためのもの。真冬に凍るような滝に打たれたり、山野を休みなく駆け回ったり…辛く身を切るような修行を経てステージがあがる。しかし女性の場合は、辛い「荒行」ではなく、たくさん笑ったり、楽しいことをすればするほどステージがあがるのだそうです。

今の社会は女性に男性と同じ「荒行」を強いることが多い社会。だから女性全体が活性化しないような気がします。もっと女性が「楽しい!」と思えるような、ワクワクする場面が増えて、初めて社会も元気になるような気がするんですよね。

夫たる人は妻を「笑顔にしよう」と努力すると、家庭も明るくなると思います。逆に妻は「荒行」にならないように、うまく夫婦の価値観をすり合わせることが必要です。

我慢に我慢を重ねる結婚の荒行をするよりも、韓流やジャニーズのステージを見て、「ああっ、楽しい。気分が上がる!」という経験を積んだ方が、女性にとってはステージが上がること。

離婚を安易にしないほうがいいという戒めも大切なのですが、あまりに辛い「荒行」はほどほどにしたようがいいと思いますよ。

著者プロフィール : 白河桃子(しらかわとうこ)

少子化ジャーナリスト、作家。一般社団法人「オサン・デ・ファム」アンバサダーとして、「女の子を幸せにする心とカラダの授業」プロデュース、「全国結婚支援セミナー」主宰。大妻女子大学就業力GP「ライフコース講座」講師および企画。山田昌弘中央大学教授とともに、2008年度流行語大賞にノミネートされた「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著『婚活時代』(ディスカバー21)がある。近著は、国立成育医療センター母性医療診療部不妊治療科医長、齊藤英和先生との共著で『妊活バイブル』(講談社)、『女子と就活 20代からの就・妊・婚講座』(中公新書ラクレ)。