今回はちょっとばかり趣向を変えて、アメリカの男性像、それもとりわけ我々日本人男性の感覚には無いある特徴的な一面について触れてみようと思う。そしてそんなアメリカ男子を日々目の当たりにしているアメリカ女子サイドの意見も紹介するのでぜひ参考にされたし。

アメリカの男性像を語る上で欠かせないのは彼らにとっての母親の存在。

アメリカ男性は大人になっても自分の母親に対する"I love you, mom."、"I love you, Mama."(お母さん愛してるよ)をとにかくよく口にする。そしてハグやキスはもちろんのこと、頻繁に電話をしたり、いくつになってもママのことをほめまくったり、ママの手料理を自慢したりなどは当たり前。諸君もアメリカのテレビ番組などで、たとえば、試合に勝ったり何かのコンテストで優勝したりってときに大の男やいい歳をした男、図体のデカイ強面な男が、"I did it, mom!"、"I"ve won, mama!"なんて叫んでいる光景を一度や二度は見かけたことがあるだろう。

そして、アメリカ男性はとにかくママの言いつけはよく聞くし、父親はさておきママにアドバイスを求めるなんてことも多い。我々日本人からすれば、これは正に「マザコンだよな!」と思ってしまいがちだが、これいわゆる我々が考える"マザコン"(Mother Complex)と言われるものとはチト違うものなのだ。

英語で"マザコン男"のことは通常「お母さん子」という意味になる"Mommy"s boy"と呼ぶが、Mommy"s boyすべてがマザコンかというとそうではない。もちろん日本でも取りざたされるような典型的「マザコン男子」もそれなりに生息はするのだが、多くの場合は子離れ出来ない母親にベッタリな母親依存症的なものとは違い、とにかく「"偉大なるママ"に対する愛情が深く、愛情表現も実にオープンで、そういった言動に対し照れなど一切もたない」というだけ。そんなところがややもすれば我々が言うところのマザコンに見えてしまうのかもしれない。

ちなみにアメリカを象徴する言葉の中に Mom, the Flag, and Apple Pie「ママと星条旗(祖国愛)とアップルパイ」というのがあるが、第一頭に「Mom(ママ)」が来てるというのも、こんなアメリカの男性像あってのことなのだ。

さて、アメリカの女性たちはこんなMommy"s boy(s)をどのように見ているのか? 「健全なるMommy"s boy(健全なるマザコン男子もしくはマザコン風男子)」をそれなりに提唱し、理解も示しているようだ。しかしそんな彼女らにもまったく不満がないわけではない。妻として、または、カールフレンドとして、それなりの要望はあってしかり。以下がそれら女性サイドからの代表的なものだ。

たとえMommy"s boyであっても男らしさはあってほしい
母親の願いを満たすのは良いが、無茶な望みに対してはハッキリ"No"と言い、賢く対処できるべし。とくに夫婦間、ボーイフレンドカールフレンド事にはたとえ「母」でも介入は許さないでほしい。
誕生日や母の日、記念日などを祝ってあげることは大いに歓迎。ただし妻やガールフレンドである自分より母親を優先してほしくない!つまり、母親と私たちを競わせるような状況は作らないでほしい。女性(妻、ガールフレンド)は彼にとって自分が第一の存在だと常に思いたいのだから。
たとえどんなに母親の存在が偉大でも、私たち"妻や彼女"への褒め言葉や感謝の言葉を決しておろそかにはしないでほしい。「わたしはお母さんほど彼のことを幸せにすることはできないんじゃないかしら…」なんて思わせたりは絶対にしないこと。
マザコン男子は甘ったれで家事は母親任せという定説があるようだが、健全なるMommy"s boyとしては家事もろもろは私たち"妻や彼女"と同等にすべし。自宅でも母親の家でも食事の後は、「彼女お皿を洗う人、僕リラックスする人」なんてのは絶対にやめてほしい。

さて男性の読者諸君よ、君たちの"Mommy"s boy度"はいかに?

我々日本人男子は母の存在についての思いや母親へのオープンな愛情表現という点では確かにアメリカ男子とは一線を画するものがある。はたして外国女性はそんな日本人男性を新鮮と思うか、それともある意味物足りないと感じるのかどちらなのだろう?

この際アメリカ男子に習って母思いの優しい男性像をアピールしてみるのも欧米女性のハートを射貫く良い一つの方法なのかもしれない。上手く行けば、彼は母思い=女性をリスペクトする人=女性に優しいという方程式が彼女の中に芽生えるかもしれないぞよ。

そして女性読者諸君。逆に欧米男子を射止めたいなら、彼の「母」をほめよ。そして彼の「母」と仲良しになれ。日本ではよく料理で男をゲットしろと言うが、アメリカなど欧米では「母のハート」をゲットすることが意中の男を得る一番の近道だと心得えておこう。

ではまた次回。