静岡鉄道静岡清水線の新型車両A3000形が3月24日にデビューした。第1編成(A3001・A3501)の外観カラーは富士山をモチーフとした「Clear Blue」。同社は創立100周年の2019年度までに、異なる7色のラインナップで新型車両を導入していく。
静岡清水線は新静岡~新清水間11.0kmの路線。全線にわたって東海道本線と並行しながら、平日日中も6~7分間隔という高頻度ダイヤを維持し、平日朝には急行運転(新静岡行の通勤急行、新清水行の急行を運転)も行う。輸送人員は年間約1,000万人(1日約3万人)とのこと。保有車両は12編成24両で、現在の主力は1973年に初導入された1000形。デビュー間もないA3000形は、静岡鉄道にとって43年ぶりの新型車両となる。
A3000形は総合車両製作所(J-TREC)横浜工場で製造された「sustina」ブランドの次世代ステンレス車両。アルミ車と同等の軽量化を実現しつつ、万が一の衝突時に備えた高度強化も図り、リサイクル性にも優れた車体となった。ドアや窓回り、雨どいなどの凸凹が少なく、従来のステンレス車両よりスマートですっきりした外観も特徴。第1編成で採用されたクリアブルーのカラーリングは車体側面にも施されている。
今後、2019年度までに「Passion Red」「Pretty Pink」「Brilliant Orange Yellow」「Fresh Green」「Natural Green」「Elegant Blue」の外観カラーの車両を導入し、全7色の「静岡レインボートレインズ」を完成させる予定。いずれも「静岡が誇るいろんないちばん」をモチーフとしたカラーリングだという。新型車両による置換えはその後も進められ、最終的に全12編成を導入する計画とされている。
1000形はデビューから40年以上を経た現在も静岡清水線の主力として活躍中。うち1編成(1011・1511)は「ちびまる子ちゃんラッピング電車」となり、他の編成も多彩なラッピングで運行されている。今後、新型車両A3000形の導入により、1000形は順次置き換えられる予定。すでに今年3月をもって1編成(1004・1504)が引退している。