仙台市地下鉄東西線は2015年12月6日に開業。八木山動物公園~荒井間13.9km、都営大江戸線などと同じ「鉄輪式リニアモーター方式」を採用した路線で、「自然と調和し、伊達の歴史を未来へつなぐデザイン」がコンセプトの新型車両2000系が走る。

仙台市地下鉄東西線2000系。広瀬川橋りょうを渡り、国際センター駅へ

東西線では、日中時間帯に7~8分間隔で電車が運転され、仙台駅からの所要時間は西側の八木山動物公園駅まで12分、東側の荒井駅まで13分。運賃は仙台駅から200~300円となるように設定されている。ICカード乗車券はいまのところ、「icsca(イクスカ)」に対応しているものの、「Suica」「PASMO」などは未対応。これらのICカード乗車券の相互利用は今年3月26日から始まる予定となっている。

仙台市交通局は東西線の計画内容の中で、開業後の予測利用者数を1日8万人としていた。これに対し、開業後1カ月の1日あたりの平均利用者数は5万400人と報道されている。東西線開業にともない、市バスの路線が再編(沿線地域から仙台市中心部への直通便の減便など)されており、苦情や要望も多かったという。一方で八木山動物公園や藤崎(青葉通一番町駅直結の百貨店)の利用者が増えるなど、開業効果もあった様子。

東西線は大半の区間が地下だが、仙台駅以西で地上を走る区間が2カ所ある。うち1カ所が広瀬川橋りょう。その先にある国際センター駅では、広瀬川を渡る東西線の電車を見学できるように広場が整備されていた。開業間もないこともあってか、鉄道ファンの他に子供たちを連れた家族も多く訪れていたようで、2000系が姿を現すたびに「来た来た!」という大人たちの声が聞こえ、続いてカメラのシャッターを切る音が聞かれた。

新型車両2000系は、伊達政宗の兜の前立てをイメージしたという車体前面のデザインが特徴

国際センター駅の駅舎。2階に屋外テラスも設置された

国際センター駅の隣の駅は川内駅。つい「せんだい」と読んでしまいそうになるのだが、実際の読みはもちろん「かわうち」で、東北大学川内キャンパスへの最寄り駅。その先の青葉山駅・八木山動物公園駅も駅付近に大学キャンパスがあり、学生や大学関係者の利用も見込める駅となっている。なお、八木山動物公園駅は標高136.4mの位置にあり、日本の地下鉄駅の高さ日本一に認定されたとのこと。