令和3年3月3日、3並びの数字を見て思い出したことがあります。それは私がまだ小学生の頃、テレビから流れてきて、今でも耳に残っている曲のことです。私の記憶では「3はキライだよ~」ではじまり、3人はいつも喧嘩していて、2人が仲良くなると1人が仲間外れになるという、ちょっと物悲しい曲です。

改めて思い出してみると、「『3はキライだよ~』って曲は、健康保険と公的年金、介護保険(※)の関係に似てるな」とヒラメキました! どういうことなのかご説明しましょう。

  • 「3はキライだよ~」で説明する3つの社会保険

例えば、健康保険は働き始めてから保険料を払います。公的年金も働き始めてから(あるいは20歳になったら)ですね。でも介護保険は40歳からになります。つまり、保険料を払いはじめるタイミングは、健康保険と公的年金は仲良しだけど、介護保険は仲間外れなのです。

でも、この仲良しと仲間外れの関係は、常に同じ組み合わせではなく、くっついたり離れたりします。例えば、健康保険は一生保険料を払い続けますが、公的年金は原則60歳まで(あるいは働き続けている間)です。そして、介護保険は40歳を過ぎたら一生保険料を払い続けることになります。保険料を払い終えることができるか否か、という点では、健康保険と介護保険は仲良しだけど、公的年金は仲間外れになるのです。

次に、それぞれの保険でサービスを受けたり、現金を受け取るといった給付について考えてみましょう。例えば、健康保険の給付には年齢制限はありません。それこそ、ゆりかごから墓場まで医療の給付を受けることができます。一方、公的年金と介護保険の給付には年齢制限があり、原則、65歳以降からになります。

もちろん給付でも、常に健康保険が仲間外れで公的年金と介護保険が仲良しという訳ではありません。健康保険と公的年金は、保険料を納めていれば誰でも給付を受けることができますが、介護保険はそうではありません。保険料を納めていても、要介護・要支援の申請が必要です。そして、認定が下りなければ、給付を受けることはできないのです。

さらに、公的年金の給付に際しては自己負担はありませんが、健康保険と介護保険の給付には、年齢や所得に応じて、1割から3割の自己負担が伴います。このように保険の給付に関しては、健康保険と公的年金、そして介護保険はそれぞれが仲良しだったり仲間外れだったりするので、この3つの社会保険は三角関係だとも言えるのです。

社会保険って聞くと、堅苦しい話を想像する方が多いでしょう。でも、仲良しと仲間外れ、こんな感じで説明したら、社会保険のことがわかりやすく伝わるかも知れませんね。いつか「3はキライだよ~」って曲が再び流行ると、セミナーでの私の説明にも弾みがつきそうですが、そもそも流行っていたかどうかも怪しいのでちょっと期待できないなぁ~とも思っています。

※厳密な社会保険の定義では、「公的医療保険と公的年金保険、公的介護保険」と表記すべきですが、当コラムではわかりやすさを優先し、「健康保険と公的年金、介護保険」と表記しています。